いつからだろう、作家になることを諦めてしまったのは。
「ものをつくる人」を志していた最後の記憶はもう7年前、小説家になりたいという夢が誰もに否定されるのをもう知っているような年齢だった。
その頃からもう正直に言うことができなくなって、「みんなが思っている私らしさ」を口にするようになった。
本当は自分以外の誰にもなりたくなかった。大人たちの叶えられなかった夢を押し付けられることに疲れていた。でもだんだん、その気持ちも忘れていった。
悲しい、悔しい、憎い、疲れた。そんな言葉は私の中に澱のように沈み、普段は決してその存在を悟らせてくれない。間違ってる、おかしい、という気づきすらも掴めず、頭の中をすり抜けていってしまう。
散々ほかの誰かを映写してきたせいだ。私は私に見捨てられてしまった。
私の心は何も喋らない。感情が溢れ、心身が耐えきれなくなってしまうその時まで何も言わない。
私は感情を失った。そして言葉を失った。
もう自分がどこへ行きたいのかもわからない。
私は言葉を取り戻したい。そして私を取り戻したい。