ラブソングがひびかない

kayukawayuka
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 いつからだろう。君は運命の人だ、君の全てが愛おしい、10年後も隣でずっと笑っていようみたいな甘酸っぱいラブソング聴くと「恋に浮かれてんなぁ」って思うようになったのは。

初めて聴いた時に、世界で一番のラブソングじゃんって思ったRADWIMPSの有神論も、いつからか「これは……重いぞ」と感じるようになった。

 これは音楽に限らず映画だって同じだ。

十代の頃映画館で観て爆泣きした「世界の中心で愛を叫ぶ」も今観たら「だから若者が死ぬ話で涙を誘うのやめろ」って感想しか出ない。

 でも有神論にしてもセカチュウにしても当時の自分にとってはとても心打たれた思い出の作品で、人生にとっての大事な経験値になっていると思う。

 ちなみに、若者の恋愛話に共感できなくなった代わりにこの頃は「はじめてのおつかい」と「となりのトトロ」で爆泣きをしている。いつから子どもの泣き顔見ただけで涙腺が崩壊するようになったんだろう。

 人生経験と環境の変化と共に、趣味嗜好もどんどん変わっていく。

 

 私が綾小路きみまろの中高年漫才に涙を流して笑う日も近いのかもしれない。