ゲンロン15の川原伸晃氏のエッセイ「園芸とは超越の飼い慣らしである」が興味深い。植物の超越性とは何か?
まず挿し木や株分けで無限に分割できる点。次に葉差しや根伏せのように葉でも根でもあらゆる部位が土に挿すとひとつの植物に育つ点。こうした点を著者は、植物の超越性を理解するキーワードに挙げる。
超越性という観点で園芸家である著者が一年草を分析していた。一年草は儚い1年の生を全うするというより、寿命を敢えて短くして頻繁な環境適応でシステムとしての生命維持に邁進しているのだという。だから植物は生物ではなく「不死なる生命システム」と表現する方がしっくりくるとのこと。
そして「園芸とは超越の飼い慣らしである」と著者は定義する。特に観葉植物は飼い慣らしにぴったりらしい。私は観葉植物の命は数年だと思っていた。しかし腐植に富む土でお世話をすればとても長生きするという。
最近、元気のない我が家のパキラ。本腰を入れてお世話してみようかな...