14歳の時に聞いていた曲を掘り起こした。青臭い曲だった。若くして女優として大成した彼女は、世界で最も稼ぐ10代だったこともあった。ディズニーワールドを誕生日に、それも自分の稼ぎで貸し切れる10代は後にも先にも彼女以外いないのではないだろうか。彼女にいく先にはいつだってたくさんの人がいて、カメラがあった。
その曲は、本来すでにポップスターとして大成していた女性何名かにリリースオファーが入ったらしいのだが、強く有りたい、成功するまで誰に何を言われたって続けていくことが大切、その成功までには泥臭い努力が必要なんて曲を歌うにはその誰もが大人になりすぎていた。
ディズニーチャンネルからの卒業を控え、破天荒さが面に出てきた彼女は、外から見れば順風満帆でなんの苦労もないような世間知らずの女の子に見えたかもしれない。でも消費するわたしたちの目に触れていないだけでそんな夢物語はあるはずがない。シンデレラでさえ下積みの時期があるのだから!
そんな彼女が歌うにはぴったりで、そのアンビバレントな不安定さをもった彼女にしか歌えない曲だった。ちょっとずつ寒くなってきた夜にふと思い出した。