こんにちは。中島です。
この記事は『HR Share Advent Calendar 2024』の11日目の記事です。
今回は、HERPさんが提唱する「スクラム採用」について、いくつかの記事を調べてみました。現場を巻き込む採用や全社的な採用活動を実現するのは、なかなか難しいですよね。それでも、この記事がスクラム採用を始めるきっかけになれば幸いです。
参考記事
上記記事を参考に、NotebookLMを使いながらスクラム採用について調べていきます。
スクラム採用とは?
スクラム採用とは、全社員が一体となって採用活動に取り組む採用方式のことです。ラグビーのスクラムのように、全員が共通のゴールに向かって力を合わせるイメージから名付けられました。
従来の採用活動は、人事部門が主体となり、求人広告の出稿や応募者との面接などを担当していました。しかし、採用市場の変化や多様な人材ニーズへの対応、組織全体で人材育成に取り組む重要性の高まりから、人事部門だけでなく、現場社員も積極的に採用活動に参加するスクラム採用が注目されています。
スクラム採用の特徴
権限移譲: 候補者へのアプローチ方法や採用手法の決定も含め、現場に権限が移譲されます。
成果の見える化: 採用活動の成果を全社にフィードバックし、定期的に振り返りを行います。
人事部門の役割: 人事部門は採用活動の主体ではなく、採用プロジェクトを管理するプロジェクトマネージャーの役割を担います。
次に、スクラム採用の進め方についても調べてみます。
スクラム採用を始めるには?
スクラム採用を始めるには、以下のステップを踏むことが重要です。
1. スクラム採用の必要性を共有する
なぜスクラム採用が必要なのか、その目的や意義を、経営陣から現場社員まで、全社員にしっかりと説明し、理解と共感を得ることが重要です。
特に、採用市場の変化や人材獲得の難しさ、多様な人材ニーズへの対応、組織全体で人材育成に取り組む重要性といった背景を共有することで、スクラム採用の必要性をより深く理解してもらえます。
2. 現場の協力体制を構築する
スクラム採用では、現場社員に従来の業務に加えて採用活動にも参加してもらうことになるため、現場の負担が増加する可能性があります。
そのため、人事部門と現場社員が十分にコミュニケーションを取り、業務負担のバランスを考慮しながら、円滑な協力体制を構築することが大切です。
強制的に参加させるのではなく、自発的に参加したいと思えるような環境を作ることも重要です。
具体的には、採用活動への参加に対する評価制度を導入したり、インセンティブを設定したりするなどの方法が考えられます。
また、各部門にキーマンとなる人物を配置し、その人物を中心にスクラム採用を推進していくことも有効です。
3. 明確な採用基準を設定する
スクラム採用では、多様な視点から候補者を評価することができる一方、評価基準が曖昧になってしまう可能性もあります。
そのため、会社全体の価値観やビジョンに基づいた、統一された採用基準を設定することが重要です。
スキルや経験だけでなく、社内カルチャーへの適合性なども考慮し、具体的な判断基準を明確化しましょう。
4. 採用活動のプロセスを設計する
従来の採用活動のやり方をそのまま踏襲するのではなく、スクラム採用に適したプロセスを設計する必要があります。
採用チャネルの選定、人事部門との情報共有方法、応募者の評価方法などを具体的に検討し、現場社員がスムーズに活動できるような仕組みを作りましょう。
特に、採用活動に関する情報を一元管理できるツールやシステムを導入することで、情報共有の効率化や情報漏洩対策を図ることができます。
また、選考フローを細分化し、人事部門や現場社員以外でも担当できる業務はアウトソーシングすることで、負担を軽減することも有効です。
5. スクラム開発の手法を取り入れる
スクラム採用では、その名のとおり、ソフトウェア開発で用いられるスクラム開発の手法を取り入れることが有効です。
例えば、定期的な振り返り(スプリントレトロスペクティブ)を実施することで、採用活動の進捗状況や課題を共有し、改善策を検討することができます。
また、日々の情報共有(デイリースクラム)や計画(スプリントプランニング)なども、スクラム開発の手法を参考にしながら、採用活動に適した形で取り入れていきましょう。
6. 継続的な改善
スクラム採用は、一度導入すれば終わりではありません。
導入後も、定期的に振り返りを行い、課題や改善点を洗い出し、プロセスや仕組みを改善していくことが重要です。
7. 成功事例を参考にする
スクラム採用をすでに導入している企業の成功事例を参考にすることも有効です。
メルカリやfreeeなどの事例を参考に、自社の状況に合わせて、スクラム採用をどのように導入・運用していくか検討してみましょう。
8. 人事部門の役割の変化
スクラム採用において、人事部門は、採用活動の主体ではなく、採用プロジェクトを管理するプロジェクトマネージャーとしての役割を担います。
現場社員がスムーズに採用活動を進められるように、必要な情報やサポートを提供し、全体を統括していくことが求められます。
また、採用市場の動向や最新の採用手法などを常に把握し、現場社員に適切なアドバイスを行うことも重要です。
スクラム採用を成功させるためには、人事部門と現場社員が協力し、一体となって取り組むことが不可欠です。 上記のステップを参考に、自社の状況に合わせてスクラム採用を導入し、より効果的な採用活動を目指しましょう。
進め方についてイメージできましたね。次に、人事の役割についても調べてみます。
スクラム採用における人事の役割
スクラム採用では、人事担当者は採用プロジェクトのマネージャーとしての役割を担います。 従来の採用活動のように、採用計画の策定から実行までをすべて人事担当者が行うのではなく、現場社員が主体的に採用活動に関わることを支援し、円滑に進めるためのサポートを行います。
具体的な役割は以下の通りです。
1. スクラム採用の導入と推進
スクラム採用の必要性やメリットを経営陣や現場社員に説明し、理解と協力を得る。
スクラム採用をスムーズに導入するための体制を構築する。
現場社員が採用活動に参加しやすい環境や制度を整える。
採用活動の進捗状況を把握し、必要に応じて軌道修正を行う。
2. 現場社員の支援
採用活動に関する情報やノウハウを提供する。
採用目標の設定や採用計画の策定を支援する。
面接やスカウトなどの採用活動の実務をサポートする。
現場社員が抱える課題や疑問を解決する。
現場社員のモチベーションを高め、採用活動に積極的に参加できるよう働きかける。
3. 採用活動全体の管理
採用プロセス全体の設計と運用を行う。
採用基準を明確化し、評価の公平性を担保する。
採用活動に関する情報を一元管理し、情報共有を促進する。
採用活動の効果を測定し、改善策を検討する。
4. マネージャーの育成
スクラム採用では、現場のマネージャーが採用活動の中心的な役割を担うため、マネージャーの育成が重要になります。
人事担当者は、マネージャーに対して採用に関する研修を実施したり、コーチングを行ったりすることで、マネージャーの採用力を向上させる必要があります。
従来の人事担当者は、採用活動の実務を 「行う人」 という立場でしたが、スクラム採用では、現場社員が採用活動を行うことを 「支援する人」 「管理する人」 という立場になります。
人事担当者は、プロジェクトマネージャーとして、高いコミュニケーション能力や調整能力、全体を俯瞰的に見る能力などが求められます。
スクラム採用を成功させるためには、人事担当者が従来の役割から脱却し、新しい役割を積極的に担うことが重要です。
なるほど。プロジェクトマネージャーですね。個人的には「スクラム採用の必要性やメリットを経営陣や現場社員に説明し、理解と協力を得る。」という点が特に難しいと感じます。
では、スクラム採用を導入するとどんなメリットがあるのでしょうか。
スクラム採用導入のメリット
スクラム採用を導入するメリットは、主に以下の3つが挙げられます。
1. 採用チャネルの多様化による、優秀な人材との接点増加
従来の採用活動では、求人広告や人材紹介会社といった限られたチャネルに頼ることが多かったですが、スクラム採用では、社員の紹介(リファラル採用)やSNSなどを活用することで、より多様なチャネルから人材を探し求めることが可能になります。 人事担当者だけではリーチできなかった人材にもアプローチできるため、優秀な人材と出会う可能性が広がります。
2. 人事部門の負担軽減と、戦略的な業務への集中
スクラム採用では、採用活動の一部を現場社員が担うため、人事部門の負担を軽減できます。 これまで採用活動に割いていた時間を、より戦略的な業務、例えば、採用プロセスの改善や、従業員エンゲージメントの向上といった取り組みに充てることができます。
3. 従業員の帰属意識・エンゲージメント向上
現場社員が採用活動に関わることで、自社の魅力を再認識し、会社への愛着や思い入れが強まります。 また、採用活動を通じて、チームワークやコミュニケーションが活性化し、一体感が醸成されることで、組織全体の活性化にもつながります。
スクラム採用のメリット詳細
上記3つのメリットに加えて、以下のようなメリットも期待できます。
現場のニーズに合った人材を採用できる:現場社員が面接官として参加することで、自部門に必要なスキルや経験、そしてカルチャーに合う人物を見極められます。
採用活動のスピードアップ:人事部門がすべての選考プロセスを管理する従来の方法に比べて、現場社員が主体的に動くことで、迅速な意思決定や選考のスピードアップが期待できます。
採用コストの削減:採用活動の効率化や、自社の魅力を効果的に伝えられることで、採用コストの削減に貢献できます。
採用後のミスマッチ減少:現場社員が面接に関わることで、入社後のギャップを減らし、早期退職を防ぐ効果が期待できます。
組織全体の採用力向上:社員一人ひとりが採用を「自分ごと」として捉え、積極的に関わることで、組織全体の採用力が向上します。
スクラム採用は、従来の採用活動の課題を解決し、企業の成長を支えるための有効な手段となり得ます。
従業員の帰属意識・エンゲージメント向上
員一人ひとりが採用を「自分ごと」として捉え、積極的に関わることで、組織全体の採用力が向上します。
上記部分がいいですね。では、実際にどんな社員を巻き込んだらいいのでしょうか。
スクラム採用を始める際に巻き込むべき現場社員
スクラム採用を始める際には、どんな現場社員を巻き込むかが重要です。すべての社員を巻き込むことが理想ですが、まずは、以下のポイントを参考に、自社の状況に合わせて適切な社員を選定していくと良いでしょう。
スクラム採用に巻き込むべき現場社員の特徴
熱意と意欲のある社員: スクラム採用は、社員の積極的な参加が不可欠です。採用活動に熱意と意欲を持って取り組める社員を選びましょう。
コミュニケーション能力の高い社員: 採用活動では、応募者と円滑なコミュニケーションをとることが重要です。また、人事部門や他の社員との連携も必要となるため、コミュニケーション能力の高い社員を選びましょう。
自社の魅力を語れる社員: スクラム採用では、社員が自社の魅力を応募者に伝える役割も担います。自社のビジョンやカルチャーを理解し、熱意を持って語れる社員を選びましょう。
それぞれの専門分野に精通している社員: 専門性の高い職種を採用する場合は、その分野に精通した社員を巻き込むことで、応募者のスキルや経験を的確に評価することができます。
部署や役割による選定のポイント
若手社員: 若手社員は、新しい情報や技術に敏感で、SNSなどを活用した情報発信にも積極的です。若手社員ならではの視点で、応募者に自社の魅力をアピールしてもらいましょう。
中堅社員: 中堅社員は、業務経験が豊富で、応募者に対して具体的な仕事内容やキャリアパスを説明することができます。また、後輩指導の経験を活かして、応募者にとって親しみやすい雰囲気を作り出すこともできるでしょう。
リーダーシップを発揮できる社員: チームやプロジェクトをまとめるリーダーシップを発揮できる社員は、スクラム採用においても中心的な役割を担うことができます。他の社員を巻き込み、チーム全体を活性化させる役割を期待できます。
各部署のキーマン: 各部署に、影響力があり採用活動への意識が高い社員を配置することで、スクラム採用をスムーズに進めることができます。
導入初期は少人数でスタート
スクラム採用を始める際は、まずは少人数でスタートし、徐々に参加者を増やしていく方法が良いでしょう。 少人数で始めることで、運用方法や課題を把握しやすくなり、スムーズな導入につながります。
熱意と意欲のある社員や、自社の魅力を自信を持って語れる社員と共に、まずは少人数でスタートし、徐々に取り組みを広げていくのが良いのではないかと思いました。
現場社員がスクラム採用に参加するための効果的な方法についても考えてみます。
現場社員のスクラム採用への参加促進のための効果的な方法
現場社員をスクラム採用に巻き込むには、強制するのではなく、自発的に「採用に関わりたい」「自分でできるようになりたい」と思ってもらえるように働きかけることが重要です。 そのための効果的な方法として、以下の3つが挙げられます。
1. 採用情報をオープンにし、積極的な情報共有を行う
社内チャットツールなどを活用し、応募や内定承諾などの採用状況をリアルタイムで共有する。
採用に関する情報をオープンにすることで、現場社員の採用への関心を高め、「自分ごと」として捉えやすくする。
人事部門と現場社員の間のコミュニケーションを活性化し、一体感を醸成する。
2. 現場社員の負担を軽減し、参加しやすい環境を整備する
人事担当者は、現場社員の業務量やスケジュールを考慮し、負担を最小限に抑える。
採用プロセスを細分化し、アウトソーシングできる部分は外部に委託する。
面接マニュアルやテンプレートを作成して業務効率化を図る。
採用活動への参加に対するインセンティブを設ける。
3. マネージャーの意識改革を促し、積極的に巻き込む
現場社員を巻き込むには、まずマネージャーの理解と協力を得ることが重要。
マネージャーが採用を「自分ごと」として捉え、積極的に取り組む姿勢を見せることで、部下である現場社員も参加しやすくなる。
人事担当者は、マネージャーに対してスクラム採用の目的やメリット、具体的な進め方などを丁寧に説明する。
マネージャーが採用活動に専念できるよう、業務負担の調整や権限移譲を行う。
マネージャーが自ら課題に気付き、改善し、PDCAを回せるようになるまで、人事担当者がサポートする。
各部門に、影響力があり採用活動への意識も高いキーマンを一人以上配置し、その人を起点にマネージャーや現場社員を動かす。
ポイント:
現場社員に強制するのではなく、自発的な行動を促す。
「採用をやりたい」というモチベーションを持ってもらう工夫をする。
継続的に働きかけ、種をまき続けることが重要。
これらの方法を実践することで、現場社員のスクラム採用への参加を促進し、より効果的な採用活動を実現できるでしょう。
「採用に関わりたい」「自分でできるようになりたい」と思ってもらえるように働きかけることが重要
やらされではなく、自らやりたいと思えるかどうかですね。
いかがでしたでしょうか?公開されているさまざまな記事を参考に、スクラム採用について調べてみました。この内容が、スクラム採用を始めようと考えている方の参考になれば幸いです。
それでは、今日はこの辺で。