全員採用の組織になるために効果がありそうなこと

kazuki_yakitori
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公開:2024/12/6

こんにちは。投稿時間的にはこんばんは。中島です。

この記事は『HR Share Advent Calendar 2024』の6日目の記事です。

https://adventar.org/calendars/10515

今回のテーマは「全員採用」です。


全員採用の定義は今回は説明しません。

今回は「どうすれば全員採用の組織になれるか?」についてお話しします。正直なところ、「これをやれば全員採用の組織に進化できる!必勝法!」みたいなものはないと思っています。手段も一つに限らないですし、これだけをやれば全員採用の組織になれる、という簡単な話でもないと思っています。

「簡単ではないぜ」ということをお伝えしつつ、それでも簡単に出来て、結構効果がありそうなことを今回は共有したいと思います。

参考にする情報はこちら。

直接的に採用に関するレポートや動画ではないです。ただ、参考になることがとても多いと思い、今回はこちらのレポート/動画を使って紹介します。

今回参考にしたのは「学習秘匿」です。NotebookLMに今回もまとめてもらいました。

学習秘匿が行われる理由

従業員が学習内容を共有しない「学習秘匿」の要因として、「独学バイアス」「無関心予期」「裏切り者予期」「タイパ」バイアスが挙げられます。

  • 「独学バイアス」とは、「学びは一人で行うもの」という考え方です。

  • 「無関心予期」とは、学習内容を共有しても周囲が関心を示さなそうだという予想です。

  • 「裏切り者予期」とは、学習内容を共有することで、転職や異動を考えている、あるいは周囲を出し抜こうとしていると思われるのではないかという予想です。

  • 「タイパ」バイアスとは、「できるだけ手っ取り早く学びたい」「学びにあまり時間をかけたくない」「物事の正解をすぐに教わったほうが効率的だと思う」といった考え方です。

これらのバイアスに加え、職場における「活用文化」「共有文化」「奨励文化」の低さも、学習秘匿を促進する要因となっています。

  • 「活用文化」とは、学んだことを今の仕事に役立てることができる、挑戦することが歓迎されているといった文化です。

  • 「共有文化」とは、自分が学んだり経験したことを職場で共有する機会があるといった文化です。

  • 「奨励文化」とは、職場外の勉強会やセミナーへの参加が奨励されている、社内の役割ごとに必要なスキルやレベルが明文化されているといった文化です。

これらの文化が低い組織では、学習意欲が低く、学習共有が進まない傾向があります。 また、上司自身の学習行動が少ないことも、部下の学習意欲、学習時間、学習共有を阻害する要因となっています。

動画では、上記に加え、以下の要因が指摘されています。

  • 日本人は、社会関係資本が脆弱である。つまり、職場以外で信頼できる他者を見つけ、関係を築くことが苦手である。

  • そのため、学習内容を共有しても無関心だと思われたり、転職するのかと疑われたりするのではないかと考えてしまう。

  • 結果として、こっそり学習する「コソ勉」が横行し、学習内容が共有されない。

これらの要因が複合的に作用することで、学習秘匿が行われていると考えられます。

学習秘匿を促す要因の一つに、「無関心予期」があります。

学習秘匿を促進してしまう要因として、「学びは一人で行うもの」という独学バイアスや、周囲が関心を示さなそうだという無関心予期が影響していた。

周りが無関心の場合、学習を共有化しなくなるということです。

ここの部分と、デレク・シヴァーズの「社会運動はどうやって起こすか」が実は結構近いと思っています。

ポイントとしては、

  • 関心を持つ

  • 2人目の重要性

といった点です。

採用活動は、リクルーター以外が自主的に採用に関われることがたくさんあります。例えば、こんなアクションが考えられます。

  • リファラルを紹介する

  • 飲み会や食事に行った時に自社を紹介してみる

  • イベント等に登壇して自社を紹介する

  • 勉強会に参加して、自社の魅力を楽しそうに伝える

  • 技術記事を書く

他にも、「Xで転職を検討している人がいるみたいです」とリクルーターに共有するだけでも、ナイスアクションです。

リクルーターやHiring Manager以外のメンバーが採用活動に積極的に関わってくれたとき、そのアクションに最大限の感謝を伝えること。これが全員採用への第一歩だと思います。感謝の伝え方は自由です。スタンプを送ったり、メッセージで伝えたり、直接声をかけたり。どんな形でも、会社の成長のために行動してくれた人に感謝を伝えることが、全員採用の文化を作る第一歩です。

もちろん、リクルーター同士やリクルーターからHiring Manager、Hiring Managerからリクルーターへの感謝もとても大切です。確かに、それは業務として当然のことかもしれませんが、それでも行動してくれたことにはしっかりと感謝を伝えるべきだと思います。「ナイスです!!」みたいな一言でも、言われた方は次も頑張ろう!と前向きな気持ちになります。こうした感謝の循環が、組織全体の採用への意識を高めるきっかけになるはずです。

ちなみにですが、採用へのアクションに無関心だった場合どうなるでしょうか。こんなことが予想されます。

  1. 採用に対するアクションをする

    最初に何らかの採用アクションが取られる。

  2. 何の反応もない

    社内の反応が薄い、またはフィードバックがない。

  3. アクションをしても共有しなくなる

    結果として「共有しても無意味だ」と感じ、情報共有が行われなくなる。透明性が欠如することで、活動が孤立化。

  4. 社内に採用活動の情報が流れなくなる

    情報共有の停止により、採用活動そのものが可視化されなくなり、他のメンバーが活動の有無すら認識できない状況になる。

  5. 採用に対する関心がなくなっていく

    関心が薄れ、採用活動が業務の優先順位から外れる。これが組織全体の態度に影響を与える。

  6. 誰も採用に関わらなくなる

    最終的に、リクルーターやHiring Manager以外が採用活動をしなくなる。

アクションに対する反応がないと、「反応なかった……」という気持ちになりがちです。そうなると、次のアクションを躊躇したり、せっかくの取り組みを共有しなくなる可能性が高くなります。

逆に、感謝をしっかり伝えることで、「この行動は良かったんだ」という自信につながり、これまで以上に積極的に行動するようになります。本当にシンプルなことですが、組織のために起こしたアクションに対して感謝を伝える。この習慣を継続することで、採用への意識が社内に広がり、やがて全員採用の文化へとつながっていくのではないでしょうか。

今日からできることです。リクルーターやHiring Managerの皆さん、ぜひ意識して取り組んでみてください!思ってることを伝えていきましょう。小さな感謝の積み重ねが、大きな変化につながるはずです。

では、今日はこの辺で。

@kazu_yakitori
エンジニアの採用や組織作りみたいな事をやりながら、猫と暮らしてます。XやLinkedInとは違い、頭の中に感じたことをただただ書いています。アドベントカレンダーの投稿も行います。