こんにちは。中島です。
この記事は『HR Share Advent Calendar 2024』の12日目の記事です。
プロダクト関連の採用に携わっていると、技術広報や採用広報の重要性が広く認識されていることを実感します。「重要だ!」と感じてはいても、技術広報や採用広報が具体的にどのようなものかは、意外と理解しづらいものです。
そこで今回は、いくつかの記事を参考にしながら、技術広報と採用広報について詳しく調べてみることにしました。
参考記事
まず、NotebookLMに内容をまとめてもらいます。
技術広報と採用広報の違い
技術広報と採用広報はどちらも企業の広報活動の一部ですが、目的やターゲット、発信内容、効果などが異なります。
目的
技術広報の主な目的は、自社の技術力や開発力、技術的な取り組みを社内外に発信することで、企業の技術力向上、業界全体の発展への貢献、自社技術の認知度向上、エンジニアとのコミュニケーション促進などを目指します。
採用広報の主な目的は、求職者に対して自社の魅力をアピールし、応募者を増やし採用につなげることです。
次に、どのような手段があるのかを調べてみましょう。
技術広報と採用広報の主な手段
技術広報の主な手段
テックブログ: 自社のエンジニアが技術的な内容についての記事を執筆し、公開するブログです。専門性の高い情報を発信することで、技術力のアピールやエンジニア同士のコミュニケーション促進を図ります。
技術系イベントの開催・運営: 自社主催の技術系イベントを開催したり、外部のイベントに協賛・登壇したりすることで、技術者との交流を深め、自社の技術力をアピールします。
オウンドメディア: 自社で運営するWebサイトやブログ、ソーシャルメディアアカウントなどを活用して、技術情報を発信します。自社の技術や製品、エンジニアの働き方など、多様な情報を発信することで、企業ブランドイメージの向上を図ります。
Podcast: 音声コンテンツを配信するプラットフォームを活用し、技術的な内容やエンジニアのインタビューなどを配信します。
テックカンファレンスへのスポンサー協賛: 外部の技術系カンファレンスにスポンサーとして協賛することで、自社の認知度向上を図ります。ブース出展や講演などを通して、技術者へ直接アプローチすることも可能です。
OSS活動: オープンソースソフトウェアの開発に貢献することで、技術力のアピールやエンジニアとの共創を促進します。
外部メディアへの掲載: 技術系メディアやビジネス誌などに、自社の技術や製品に関する記事を掲載してもらうことで、幅広い層へ情報を届けます。
これらの手段を組み合わせることで、技術広報の効果を最大化することができます。
採用広報の主な手段
求人サイトへの掲載: 求人情報サイトに求人広告を掲載することで、多くの求職者に情報を届けます。
自社採用ページの作成: 企業のWebサイト内に、採用情報に特化したページを作成し、自社の魅力や求める人物像などを詳しく説明します。
SNSでの情報発信: Twitter、Facebook、LinkedInなどのSNSを活用し、企業情報や採用情報、社員インタビューなどを発信します。
採用イベントや説明会の実施: 会社説明会や個別面談などを開催することで、求職者へ直接アプローチします。
メディアへの掲載: ビジネス誌や業界紙、Webメディアなどに、自社の取り組みや社員インタビューなどを掲載してもらうことで、企業ブランドイメージの向上を図ります。
社員によるブログ記事やSNS投稿: 社員が自社の働き方や社風について発信することで、求職者へよりリアルな情報
動画コンテンツの制作・配信: 会社紹介動画や社員インタビュー動画などを制作し、YouTubeや自社Webサイトなどで配信します。動画を通して、企業の雰囲気や社員の人柄を伝えることができます。
採用ブランディング: 企業理念やビジョン、社風、働き方などを明確化し、求職者へ魅力的に伝えることで、自社への共感や興味関心を高めます。
これらの手段を効果的に活用することで、より多くの求職者を惹きつけ、採用目標の達成に近づけることができます。
技術広報の手段は幅広いですね。何からスタートすればいいのでしょうか。
技術広報を立ち上げる際に注意すべき点
1. 目的とターゲットの明確化
技術広報は、自社の技術力をアピールし認知度向上を図るだけでなく、業界全体の発展に貢献することも目的とします。
誰に何を伝えたいのか、どのような効果を期待するのかを明確にすることで、効果的な戦略を立てることができます。
例えば、メルペイでは技術広報の目的を「業界貢献」「会社のブランディング」「個人の成長」の3点に定めています。
2. 中長期的な視点を持つ
技術広報は、短期的な成果を求めるのではなく、中長期的な視点で取り組むことが重要です。
継続的な情報発信を通じて、企業の技術力やブランドイメージを徐々に高めていく必要があります。
3. 認知活動であることを意識する
技術広報の初期段階では、まず自社のことを知ってもらうことが重要です。
そのためには、カンファレンスへのスポンサーや外部メディアへの掲載など、多くの人にリーチできる手段を活用することが有効です。
自社の魅力をアピールする前に、まずは名前を覚えてもらうことを目標にしましょう。
4. 関係者を巻き込む
技術広報を成功させるためには、社内のエンジニアや経営層など、関係者を巻き込むことが重要です。
特に、エンジニアの積極的な情報発信を促すためには、彼らが発信しやすい環境や制度を整える必要があります。
メルペイでは、CTO や VPoE、EM など、エンジニアリング組織全体を巻き込んで技術広報のロードマップを作成しています。
5. 適切なKPIを設定する
技術広報の効果を測定するためには、適切なKPIを設定することが重要です。
ただし、PV やコンバージョン数などの指標だけに囚われるのではなく、情報発信の量や質、エンジニアのモチベーション向上なども考慮する必要があります。
メルペイでは、「どのくらいの人が発信したいと思っているのか」「組織全体のうち何%が発信しているのか」といった点を重視しています。
6. 継続的な情報発信
技術広報は、一度行っただけで効果が出るものではありません。継続的に情報発信を続けることが重要です。
そのためには、情報発信のテーマを定期的に見直したり、新しい取り組みを導入したりするなど、常に改善を心がける必要があります。
7. 仲間や先輩を見つける
技術広報は、まだ新しい分野であり、ノウハウが確立されていない部分も多いです。
そのため、社内外の技術広報担当者と交流し、情報交換や意見交換をすることが重要です。
コミュニティに参加したり、勉強会に参加したりするのも良いでしょう。
8. 発信内容の質
技術広報で発信する情報は、正確でわかりやすく、読者にとって有益なものでなければなりません。
ターゲットのニーズを理解し、興味を引くようなコンテンツを作成することが重要です。
メルカリ・メルペイでは、「お客さまの課題をテクノロジーで解決し、新しい価値を提供する」「技術の発信が産業への還元」「変化する新しいエンジニア組織を目指す」という3つのポリシーに基づいて情報発信を行っています。
これらの点に注意し、戦略的に技術広報に取り組むことで、企業の技術力向上やブランドイメージ向上、採用活動の強化などの効果を期待することができます。
メルペイさんの事例がありましたね。実際にメルペイさんはどのような動きをしているのでしょうか。こちらも調べてみましょう(Googleさんの事例と合わせて紹介です)。
メルペイの技術広報
メルペイは、近年注目を集めている「技術広報」に力を入れている企業の一つです。彼らは技術広報を通して、自社のエンジニア組織や業界全体の発展を促進することを目指しています。
メルペイの技術広報の特徴として、採用広報も兼ねている点が挙げられます。 つまり、技術的な情報発信を通じて自社の技術力をアピールするだけでなく、採用候補者からの応募も促進することを狙っています。
メルペイの技術広報活動は、主にEngineering Engagement Teamが担当しています。 このチームは、技術広報だけでなく、従業員体験の向上(オンボーディング、育成、評価など)も担当範囲としています。
メルペイの技術広報における具体的な取り組みとしては、以下の点が挙げられています。
テキストでの露出
オウンドメディア「メルカン」や「メルカリエンジニアリングブログ」での情報発信
外部メディアへの掲載
イベントでの露出
自社イベント「Merpey Tech Fest」の開催
外部イベントへのスポンサー協賛や登壇
メルペイは、情報発信の方向性を明確に定めていることも特徴です。 具体的には、「お客さまの課題をテクノロジーで解決し、新しい価値を提供する」「技術の発信が産業への還元」「変化する新しいエンジニア組織を目指す」という3つのポリシーを掲げています。
Googleの技術広報
Googleの技術広報は、Developer AdvocateのKazさんを中心に行われています。 Kazさんは、Google入社前からDeveloper Communityで活動しており、Googleの技術に対する深い知識と理解を持っています。
Googleの技術広報で特徴的なのは、技術ブログの質の高さです。 Kazさんは、技術ブログを書く際に「自分の思い、熱意をシェアする」ことを大切にしています。
例えば、「TensorFlow を使ってきゅうりの仕分けシステムを作った」という技術ブログは、Newsweekに取り上げられるほど大きな話題となりました。
また、 わかりやすさも重視しており、図やアニメーションを効果的に活用して、複雑な技術をわかりやすく解説しています。 さらに、現場での活用事例を紹介することで、読者にとってより身近な内容となっています。
Googleの技術広報は、Kazさんの「技術に対する熱意」と「わかりやすく伝える」というスキルによって、非常に高いレベルで運営されています。
技術広報を成功させるためには、明確な目的意識、継続的な情報発信、質の高いコンテンツ作成が重要とのことです。また、社内外の関係者を巻き込むこと、適切なKPIを設定することなども、成功要因として挙げられます。
では、採用広報と技術広報の関連性も見ていきましょう。
技術広報と採用広報の関連性
技術広報と採用広報は、それぞれ異なる目的とターゲットを持ちますが、密接に関連しています。
技術広報は、自社の技術力や製品、サービスをアピールすることで、企業の認知度向上やブランドイメージ向上を図る活動です。 一方で、採用広報は、求職者に対して自社の魅力をアピールし、応募を促進する活動です。
一見異なる活動に見えますが、技術広報は採用広報に良い影響を与えることが多く、両者を戦略的に連携させることで、より大きな効果を得ることができるのです。
技術広報が採用広報に与える影響
1. 採用ブランディングの強化
技術広報を通じて、自社の技術力や先進性をアピールすることで、企業としての魅力を高め、優秀なエンジニアの興味関心を惹きつけることができます。 これは、採用ブランディングの強化に繋がり、結果として応募者の増加や質の向上に繋がります。 特に、エンジニアは転職時に業務内容を重視する傾向があるため 、自社の技術情報が魅力的に映れば、応募意欲を高める効果が期待できます。
2. エンジニアからの共感・信頼感の獲得
技術ブログや技術イベントなどを通じて、自社のエンジニアの生の声を発信することで、企業文化や働き方、技術に対する姿勢などを具体的に伝えることができます。 これは、エンジニアからの共感や信頼感を獲得することに繋がり、自社を「働きたい」と思える企業として印象付けることに役立ちます。
3. 認知度の向上
技術広報活動を通じてメディア露出や業界内での認知度が高まることで、求職者にとって「名前を知っている企業」となり、応募を検討する際の選択肢に入りやすくなります。 これは、他の企業との差別化に繋がり、優秀な人材を獲得する上で有利に働きます。
技術広報と採用広報の連携施策例
技術広報と採用広報を効果的に連携させるためには、以下の様な施策が考えられます。
技術ブログで採用情報を発信する
技術ブログに、採用情報への導線を設置する。
エンジニアのインタビュー記事などを掲載し、自社の働き方や魅力をアピールする。
技術イベントで採用活動を行う
イベント参加者に対して、採用情報を配布したり、会社説明会などを実施する。
エンジニアが採用担当者と交流できる場を設ける。
技術広報担当者と採用担当者が連携する
定期的な情報共有や意見交換を行い、戦略を共有する。
メルペイでは、技術広報担当者と採用担当者が同じチームに所属している。
技術広報と採用広報は、それぞれ異なる目的を持ちながらも、密接に関連しており、両者を戦略的に連携させることで、相乗効果を生み出し、企業の成長を促進することができそうです。
いかがでしたか?技術広報を軸に、採用広報についてや、技術広報と採用広報の関連性についてNotebookLMを活用しながら調べてみました。
皆さんの活動の参考になれば嬉しいです。
では、今日はこの辺で。