4月20日(土)、朗読劇『むかしむかしあるところに、死体がありました。』の昼公演を観賞してきました。
キャストは、下野紘さん、岡本信彦さん、松岡禎丞さん。御三方とも人気声優さんなので席は満員。チケット当選は奇跡かもしれん。
昭和の絵本のようなビジュアルポスターと、面白いタイトルの本作ですが、中身は日本昔ばなしを元とした、ゾワゾワくる系の本格ミステリー。予習ゼロで挑んだので、チビりそうになりながら聞いていました。
一寸法師の不在証明
下野さんが、ナレーションと物語の謎を解いていく主人公のような役まわりを担当。松岡さんは、事件解決のキーパーソンになる役。岡本さんは、強くて心優しい一寸法師…かと思いきや…?
朗読というので、声優さんが1人ずつ出てきて本を読み聞かせてくれる感じなのかなと思っていましたが、全然違いましたね。いざ始まると、BGMに照明演出、人が入れ替わり立ち代わり、何役も演じるし掛け合いもたくさんするし…。そうだよね、朗読"劇"だもの。新しい芸術に触れた気持ちでした。
一寸法師だからできる犯行、アリバイ証明、打ち出の小槌を使った密室トリック。そして松岡さんのシブい「にゃあ」。私にとっては記念すべき朗読劇1作品目。既に楽しすぎて、すっかり世界観に入り込んでしまいました。
花咲か死者伝言
岡本さん演じるジロ(犬)目線で進んでいく、『花咲か爺さん』をベースにした物語。爺さん役は松岡さん、婆さん役は下野さん。(※主な役というだけで複数の登場人物を演じています。)
正直、3作品の中で、1番ぞわぞわしました。下野さんが婆さんを裏声で演じており、最初は笑っていたのですが、真実が明かされた後に聞くと怖い!怖すぎる!!「ジロ、ドウシタラ イイノカシラ」が、今でも脳内から消えません。
個人的に好きだったのは、沢蟹奴というお師匠役の下野さん。それまではきっちりと椅子に座って台本を読んでいたのに、その役の時だけは、足を組んで、手すりにもたれながら「一体…何の用でありんしょ…?」と、色っぽい女性の喋り方をされていました。その後に演じた、蛇女のお七とのギャップがすごかったです。
絶海の鬼ヶ島
下野さん、岡本さんと続いたナレーションの役回り。最後は松岡禎丞さんでした。良い声だ。ヘルメスだ。(詳しくはFF14をやってください。)
こちらは1番緊迫感のある作品でした。見えない何かに襲われ続ける、若干のホラー感もありました。キーパーソンは鬼蛍?確かに最初に名前が出て以降、妻の方は出てきていなかったんですよね。最後の猿の語りで「ああ〜」と納得する。そんな物語でした。
下野さんは、主人公の兄"鬼郎"を演じていましたが、かなり低い声で演じられており、怒鳴るようなシーンもありました。最期は恐怖に狂って断末魔と共に崖の下に落ちて行く鬼郎…。アフタートークによると、『絶海の鬼ヶ島』は、リハーサルの時よりも、緊迫感があったとのことです。
アフタートーク
下野さん、岡本さん、松岡さんが出てきて、感想や裏話などを話してくださいました。
岡本さんというと、私の中では猟奇的な悪役のイメージが強く、一寸法師なども、何かが憑依したように演じられていたのが印象的でしたが、普段はとてもほんわりとした口調・雰囲気の方なのですね(笑)松岡さんは、そこに存在するだけで場が和むような、とても面白い方でした。
お話を聞いていると、やはり『花咲か死者伝言』は印象に残る物語だったようで、下野さんは、「得たもの(金銀財宝)を全部寄付をするのは良い事だけど、やっぱり自分たちの生活がある程度潤っていないと、不満が生まれてくるんだなって思いました。」と、なかなか深いこともコメントされていました。
もっとお話しを聞きたいのに、無常に鳴り響くタイムリミットの鐘…。最後はアンサンブルの皆さんと挨拶をして終幕です。
感想ですが、めちゃくちゃ楽しかったです。チケットが高めなのがネックでしたが、最初に書いた通り、新しい芸術に触れた感じで、自分にとっては非常に新鮮でした。もっと前から知っていたら、他の楽しい作品にも会えたかもしれないのに。クゥ~。
ただ、普段から全く本を読まない人間のためか、耳から入ってくる情報を、情景と共に頭の中で組み立てていかないといけないので、すご~く疲れました。2時間長文読解したような、糖分が足りない時の疲れ。リスニングと想像力のトレーニングには最適です。娘が就学したら、朗読系のコンテンツはぜひ一緒に見に行きたいと思いました。
あと、やはりベテラン声優さん方の職人技は凄かったです。誰が犯人なのか分からない緊迫感。終始ドキドキしながら、世界観にどっぷりと入り込んで観劇することができました。私も娘に本を読むとき、あのくらい気合を入れて読んだ方がいいのかしら…(笑)びっくりして泣いちゃうかも。
とにもかくにも、濃密で楽しい時間でした。別の作品も絶対に見に行きます!下野さん、岡本さん、松岡さん、アンサンブルの皆様、おつかれさまでした。
▼4/26追記 公式オフィシャルレポート
▼朗読劇『むかしむかしあるところに、死体がありました。』公式サイト
▼朗読劇『むかしむかしあるところに、死体がありました。』関連ポスト
↑翌日の4月21日は、下野さんのお誕生日でした。
リハのポストもありました。