フィレンツェからミラノへの移動日。朝ホテルの受付でチェックアウトを進めていた。
ホテルのスタッフに「次どこに行くの?」と聞かれたので、「電車でミラノに行く」と答えると、「今日はストライキが行われているから、電車が走ってないもしれないよ。」と不憫そうに言われた。
僕たちはオンラインで電車のチケットを買っていたけど、「キャンセルされた」といった類の連絡は一切きていない。出発時刻は午後3時ごろでまだ時間もあったし、「まぁ大丈夫だろう」とも思っていたが、念の為、事前に駅まで確認しに行ってみることにした。
フィレンツェの駅に着くと、予想以上に多くの電車がキャンセルされていることが分かった。

自分たちの便は午後なので、まだ電光掲示板には載っていないが、自動券売機で購入できるかどうか確かめてみると「Sold out」というステータスになっている。これはすでにキャンセルされている便と同じ状態。ここらへんから少し焦ってきた。

対面のチケット売り場に行ってみるが、長蛇の列でいつになったら自分たちの番が来るか分からない。
「Sold out」のステータスから99.9%キャンセルされたと判断できたので、オンラインで1時間早い便に変更し、とりあえずキャンセルされていない(であろう)チケットを確保した。
フィレンツェをちょっと観光して、出発時刻のちょっと前に駅に戻ってきた。
僕たちの便は「9532便13:55発」だが、電光掲示板を見ると「40分の遅れ」となっている。

駅構内の地べたに座り、ただただ時間が経つのを待った。
別便の「9931便13:43発」も同じように「45分遅れ」になっていたが、30分ぐらい待った時点でなぜかいきなり「CANCELLATO(キャンセル)」という表示に変わった。
これは怖すぎる。対岸の火事ではない。今までは「ただの遅れ」だと認識していたが、自分たちの便も次の瞬間にキャンセルされる可能性があるということだ。
キャンセルされた場合はすべて一からやり直しになる。まず今日中にミラノにいける電車を探さないといけない。もし電車が見つからなければフィレンツェにもう1日滞在することになるので、その宿を手配しないといけなくなる。さらには既に予約してる今日のAirbnbの物件を1日分キャンセルできるかどうかも確認しないといけない。
この悪夢はすでにカプリ島で経験済み。何としても避けたい。「勘弁してくれ🙏」と半分神頼みで、嫁と一緒にただただ電光掲示板を見つめていた。
他の便が掃けていって自分たちの便が1番上に表示されている。
しばらくすると「40分遅れ」が「45分遅れ」に更新された。
かと思うと、また「40分遅れ」に戻る。
キャンセルされるかもしれない状況下でこの揺さぶりはやめてほしい。ただただ心臓に良くない。
それでも「遅延状況が更新されるということは、少なくとも電車が向かってきているはずだ」と、根拠もなくポジティブに捉えてみた。
一瞬、電光掲示板から目を離した時だった。再び視線を戻すと自分たちの便にプラットフォーム番号が表示されている。電車が駅に到着することが確定した。
すでに「40分遅れ」の時間に近かったので、急いで自分たちの車両まで走り、なんとか無事に乗車することができた。

この話はこれだけでは終わらない。
ミラノ到着後、そこから乗り換えてヴァレンナ(コモ湖)に行く予定だったが、そこで乗車予定の電車もキャンセルされていたのだ。
対面のチケット売り場に行くと、予想通り長蛇の列ができている。フィレンツェの時と違って、オンラインでのチケット変更ができなかったので、仕方なくその列に並んだ。
1時間弱並んで自分たちの番がきた。結果的に、チケット変更は不要で1時間後にくる同じ路線の便に乗ればいい、という事だったのでなんとか事なきを得た。
今回学んだこと: イタリアでは日曜日に公共交通機関のストライキが実施されることが多いイメージ。
ただ今回の件に関しては、ストライキ自体が問題だったというより、イタリアの管理・運営の非効率さの方が問題だと感じた。
予約した便がキャンセルされたのに通知が来ず、公式サイトでも何がキャンセルされて何がされていないのかが分からなかった。
以前の投稿でも指摘したが、イタリア社会はもう少しデジタル化・効率化が進んで欲しいと思う。