かなり唐突感のあるタイトルから始まって恐縮ですが、今回X(旧Twitter)で「DAPをNW-ZX707(4.4mmバランス接続)としてSONY MDR-MV1とqdc SUPERIOR EXの音がどのように違うのかを教えて頂けないか?」というダイレクトメールを頂戴しました。

なるほど!とても面白そうなので違いを文章表現することにチャレンジしてみよう、という企画です。ヘッドホンとイヤホン(イヤモニ)というハードウェア的に違う部分があるとは承知しつつ、少しの間お付き合い頂ければ・・・
【比較環境】

・SONY MDR-MV1:NOBUNAGA labs 黒龍、MUC-S12SB1 KIMBER KABLE
※鳴らし50時間くらい? 追加のイヤーパッド等なし

・qdc SUPERIOR EX:SUPERIOR EX Cable 4.4
※鳴らし240時間、付属のqdcTips Soft-fitイヤーピース:Mサイズを使用


・SONY WALKMAN NW-ZX707
※音質設定:ソースダイレクト、ゲイン:ローゲイン(ハイゲイン設定OFF)、ハイレゾストリーミングOFF、プリインストールのW.Musicアプリ使用、4.4mmバランス標準の再生時間484時間。microSDはWD Purple SC QD101 microSD カード 512GBを使用。
・評価曲:別雑記に記載の12曲を利用
【比較にあたっての注意事項】
・比較内容は全て主観的です
・優劣というよりも音の違いを伝えるためのものです
・・・・・ということで、前置きが非常に長くなってしまいました。ここからは本題の「比較」の話を書かせて頂ければ。
【比較:音の明瞭度】
音の明瞭度、特にボーカルや演奏楽器の明瞭度について比較してみると、
MUC-S12SB1 > SUPERIOR EX > NOBUNAGA labs 黒龍
という感じ。黒龍の方が低音域が良く出ているからか、特に女性ボーカルが他の演奏に被ってしまう感覚があります。演奏楽器の方も多少低い方の音が良く聞こえます。MCU-S12SB1の方は後述する音場の広さもあって、割と女性ボーカルが明瞭な印象。SUPERIOR EXも低音域は出ているのですが、どうもNOBUNAGA labs 黒龍とは周波数が微妙に違うのか、そこそこボーカルが明瞭。
【比較:音の温度感(Warm or Cool)】
次は音の温度感(Warm or Cool)です。ヘッドホン、イヤホンやケーブルの変更ではそういうものは変わらないだろうと思いつつ、Warm・・・つまり暖かいと感じる順に並べて見ると・・・
NOBUNAGA labs 黒龍 > SUPERIOR EX >= MUC-S12SB1
という感じ。「これそのまま低音域の具合を音の温度と勘違いしているのでは?」と自分に問いかけたくなります(笑) SUPERIOR EXも結構Coolな感じですが、主観として感じられる温度感はMUC-S12SB1が一番Coolな感じです。MUC-S12SB1は高い音が良く聞こえるので、Coolな雰囲気を感じ取っていると言えなくはないです。
【比較:音場(Sound Stage)】
3つ目は音場(Sound Stage)。先入観を排除しようと心がけて聴いてみると・・・
MUC-S12SB1 >>>> NOBUNAGA labs 黒龍 >= SUPERIOR EX
という順番に。「ヘッドホンよりイヤモニが音場広いと感じるの?変じゃない?」と再び自分に問いかけたくなりますが、あくまで自分の主観を信じようということで。MUC-S12SB1はとっても広いです。もうMDR-MV1の付属ケーブルくらい広い。NOBUNAGA labs 黒龍は(比較として)若干狭い感じ。とはいっても、SUPERIOR EXもイヤホンの割に左右方向は結構広い感じがありますので、2つを比べた時になんか似たり寄ったりの感じを受けます。
【比較:主観による差異の列挙】
ここからは以前雑記にまとめた「評価曲」を聴いた感じをまとめてみました。
・「S(mile)ING!」&「Brand new!」を再生した時に、低音域が強め?で音場がそんなには広くないNOBUNAGA labs 黒龍が一番雰囲気が出ている感じ。SUPERIOR EXはほんの少し音が軽く、MUC-S12SB1だとちょーっと音が軽いと感じなくもありません。
・「うまぴょい伝説」はNOBUNAGA labs 黒龍だとちょっと音の密度が上がって圧が凄いです(笑) 「うまぴょい伝説」をちょうど良い具合の密度で聴くなら、SUPERIOR EXやMUC-S12SB1でした。
・「未来は風のように」はMUC-S12SB1が一番スッキリしていて好き。音場が広い関係でアートワークの原宿五輪橋のような開放空間の雰囲気が出ます。(感覚論) SUPERIOR EXもなかなかスッキリ聞こえて良いです。
・「Cagayake!GIRLS [5人Ver.]」の場合は、NOBUNAGA labs 黒龍がほど良い密度で聞こえます。自分の感じ方として、桜高軽音部の部室で演奏するならそんなに空間広くないのでは?という謎の先入観があり、狭いところで鳴っていると思っているからかも。SUPERIOR EXでもちょっと広い気がしますが、まぁ許容範囲という印象です。MUC-S12SB1だとちょっとホール感というか、代々木公園野外ステージ(代々木公園野外音楽堂)っぽい雰囲気に。
・「キミとつながる物語」&「ランドソル」を再生した場合は、もうMUC-S12SB1がダントツで良いです。SUPERIOR EXもかなり良い線いってる感じですが、低音域がちょっとお邪魔に感じなくもないですが、高い方の音もそれなりに出るので、窮屈な感じが少ないです。NOBUNAGA labs 黒龍はコンサートホールに居るけど、自分の5メートル前で演奏されてる感じ。
【まとめ】
MDR-MV1(NOBUNAGA labs 黒龍,MUC-S12SB1)とSUPERIOR EX(SUPERIOR EX Cable 4.4)の音の違いを書き出してみよう・・・という、なかなか無謀な試みをお送りしました。


何となく歌モノはNOBUNAGA labs 黒龍、クラシックっぽいのはMUC-S12SB1、とりあえず何でもいけちゃうSUPERIOR EXという感じがします。比較試聴を通してSUPERIOR EXはあまり不得意な曲が無さそうで、ちょっと低音域強めな場合は別途イヤーピースで調整をすると更に良いかも。

少ない語彙力と拙い文章表現でどこまで伝えることが出来るか不安ではありますが、僅かながらでも皆様のご参考になれば幸いです。