もうだめだ長編のプロット進まねえ、と放り出しそうになったところで、フッと思いついてピースがハマるようなことがあって、少し進んだ。一度ダメだというところまで突き詰めないと何も思いつけないらしい。それでもプロットの全部が決まったわけではないので、今後もまだまだ三歩進んで二歩下がるような感じで進んでいくんだと思う。論理的に筋の通ったプロットを考えることは可能なんだけど(ウソ、本当はそういうのが一番苦手だ)、私が求めているのはそういうことではなくて、「これがこの話の本来の姿だ!」と実感できる筋立てである。というか、ものを作る際の「これだ」という感覚を文芸創作を通して伝達したいので、その手段として小説を書いているみたいなところがある。それだけではないけど。でもそういうことを書きたい。また抽象的な話になってきた。
今日は午後から熊本市中心街のびぷれす広場前にて開催された「パレスチナ人ジェノサイドに反対するためのスタンディングアクション」に参加してきた。今日は参加者がはじめは5人もいなかった。主催の方から今日は少ないですがよろしくお願いしますと挨拶をされたくらいだったが、その後だんだんと増えていき、最後は20人くらいになっていた。
今日は新調したプラカードを持って参加した。新しいプラカードは持ちやすくてとてもよかった。スタンディングが終わったあとに他の参加者の方と少し話をした。しかし、お互いに自己紹介のようなことはしなかった。いつも思うのだけど、こういう場所は匿名性みたいなのを保ちたい人もいるだろうから、あまり名乗らない方がいいのかなと思って、未だに誰にも自己紹介をしないままでいる。幾人かに顔を憶えてもらえているのはわかっているのだけど名前は伝えていない。どうしたらいいんだろう。今のままでもいいんだろうか。とりあえず、聞かれたら答えるということにしておくか。
それから今日はスピーチしませんかと提案されたのだけど断ってしまった。今度はマイクが回ってきても対応できるように、言いたいことをまとめておきたい。そして印刷した紙をプラカードのファイルに入れて、いつでも読めるようにしておけばいい。
デモのあとに集合写真を撮った。それですっかり自分で写真を撮ることを忘れてしまって、思い出したのは帰路についてしばらく経ったころ、ちょうど白川にかかる大甲橋の上を歩いている時だった。しょうがないからもうここで撮るか、と鞄からプラカードを出して、その脇に鞄を置いて写真を撮ろうとカメラを構えたところ、後を通りかかった人が立ち止まって、私に声をかけてきた。
「停戦……」
「えっ、あ、はい」
「これは……ウクライナのことですか?」
「いいえ、パレスチナです」いいえ、と否定するのも何か違う気がすると思いつつも(ロシアのウクライナ侵攻も早くやめろと思っているから)、そう答えた。
「ああ、なるほど。それは素晴らしいですね。いいことだ。大事なことですね」
「どうも」
「これを持っていつもここに立っていらっしゃるんですか?」
「いえ、あっちのほうで(通ってきた中心街の方角を指して)毎週土曜日の午後2時から4時までスタンディングをやっています」
「土曜日の、2時から4時?」
「はい、今ちょうど終わって引き上げてきたところで」
「ああ、そうなんですね。それはお疲れ様です。頑張ってください」
「ありがとうございます」
といったようなやりとりだった。
これがその時撮影した写真。背景に空が写るようにすればよかったなーと少し悔やんでいる。