執筆日記118

kenshiro
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作って食べてばかりのゴールデンウィークを過ごしてした。食べ過ぎのあまり唇を噛んでしまいテクニカルノックアウト負けを喫した。遠出をする人がいてお土産をいただけたりするのでまたそれで食べてしまう(という言い訳)。今日は東京バナナのはちみつバナナ味を食べた。先日の晩柑マーマレードの余韻を軽く吹き飛ばすくらいの激しい甘さだったが美味しかった。でもここ数日本当に食べ過ぎたからこれからしばらくのあいだは胃を休めたい。胃に負担のかからないものを食べて量も減らすようにしたい。お粥とかそうめんとか。できるかどうかはわからない。


スティーヴ・エリクソン『黒い時計の旅』を読んでいる。この小説はマジックリアリズムの技法で書かれている作品と評されている。今はざっくり三部にわけると一部を読み終わったところ。主人公の波乱万丈な少年時代が終わって大人になってニューヨークに出てきて、無一文から日雇いの職について、腕っぷしの強さを買われてクラブの門番にスカウトされたところ。裏表紙のあらすじ紹介によると今作はヒトラーがもし生きていたら……という世界設定で主人公はヒトラーのためにポルノグラフィを書くようになるらしい。今のところまだそうなりそうな気配はない。それはそうと、ここまでの今作のあらすじを説明するのが難しい。

離れ小島で渡し船の船頭をしている男(船の上で暮らしていて陸におりない)が惚れた女を追いかけて久しぶりに陸地に降りたところ老いた母親と再会し、突如二人の間に声が発生して、そいつが自らの生い立ちを語り始める。彼は地方の農村に暮らしていて体が人一倍大きく家族からも気味悪がられている。ある時兄弟に受けた嫌がらせ(父に暴行されて自分を生んだ母親を知らぬ間に暴行するように仕向けられる)からその理由がわかって、彼は家族全員に復讐し家を燃やして故郷を後にする。

語り口がクールでハードボイルドの文体みたい。そして各章がとても短い。原稿用紙で言うと5枚前後だと思う。10章に1章くらいの頻度で10枚程度の章があるくらい。この章分けのリズムの歯切れが良くてとてもいい。自分の好みにぴったりハマっており、1章読み終えるごとにセビレがビリビリしびれる。こういうものが書きたい。