夜になると部屋の窓から幹線道路に立っている電波塔の赤い点滅が見えることに気づいた。机に向かっているとちょうどカーテンの隙間のところで光っている。
長編の構成のことで呻吟する日々が続いている。今日はプロットを立てるにあたって、いきなり複雑なストーリーを流そうとするのではなくて、まず考えられる限り最も簡単なプロットを立ててみて、次にそれを少しずつ自分にわかる範囲で複雑にしていってみようと思い立って、やってみた。整理してみたいのでここにどういうことか書いてみる。
例えば、AがBに頼まれてカツ丼を作るという話を書くとする。これを最も簡単な構成で書くと
・Aという人物がいる。AはBからカツ丼を作ってくれと頼まれる。Aはカツ丼を作る。Bはカツ丼を食べる。Bは美味しかったと言い、Aも嬉しく思う。よかった。めでたしめでたし。
となる。
次はこの話の筋に色々な要素をつけ足して、話を複雑にしていく。例えば、Aはカツ丼を作るよう頼まれたけど、作り方を知らない、Bもまた知らないし元より料理ができない。仕方がないのでAはカツ丼のレシピを調べることにする。まずAは身近にいる人に訊ねてみる。しかし誰もカツ丼のつくり方を知らない。Aがもたもたしていると、そのうちにBはカツ丼を食べないことでだんだんと体がキツネに化けていってしまう。AとBが万策尽きて困り果てていると、ある時親切な人が図書館にレシピ本が置いてありますよと教えてくれる。Aは図書館に行きカツ丼のつくり方を調べる……みたいな感じか。あとは、Aにはカツ丼を作れない何らかの理由があって、一旦はBの頼みを断るのだけど、やんごとなき状況に追い込まれてしまい(Bがキツネになる呪いをかけられているとかもそう)、悩んだ末にカツ丼作りを決意するみたいな心理的葛藤も付け加えられる。あとはAのカツ丼作りを阻む敵対勢力Cを登場させるとか。一回目に大失敗して一度は諦めてしまうけど、立ち直って再挑戦するとか。他にも色々ある。これらを全体のバランスが崩れないように注意しつつ、且つ自分の今の力量でも書ける程度に留めて、まとめ上げる。わかっちゃいるのだが(本当にわかっているのだろうか?)、言うは易し行うは難しである。
そういった感じで、現在は自分が書こうとしている作品のプロットを同様の方法(まず最もシンプルな型を作って、それを段々と複雑化してゆく)で組み上げているところ。上手くいくといいのだが。
今日は夕飯に上海焼きそばを作った。いつも4人分作っているのだけど(パスタと焼きそばの時は麺の量は3人分、具材は4人分にしている。家族が小食なので)、4人分の焼きそばを1つのフライパンで作ろうとすると、具材が入りきらないし、火の通りも悪くなるし、炒めた野菜から出る水分がソースに絡んでシャバシャバになるし、何より重くて取っ手が外れそうになって危ないので(取って付け替えタイプのフライパンを使っている)、焼きそばを作る時は毎回フライパンを2つ使って具と麺を別々に炒めている(パスタの時はしない)。これは別にこのやり方をおすすめしているわけではなくて、あくまで仕方なくうちではこうやっていますという話です。焼きそばは美味しかったです。