2024/05/03 巨人 8 - 5 阪神

kentanakano
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何度か自分のInstagramのストーリーに、原爆の図 丸木美術館でやってる「阿波根昌鴻 写真と抵抗、そして島の人々」を見に行きたいから誰か一緒に行きませんか?と書いてたら長谷川くんが手を上げてくれて、車まで出してくれることになって悪いなぁ、、、全然電車と徒歩で行く頭でいたので運転までしてもらうし、人に気を遣ってもらうのからあまり距離をとりたいけど折角なのでお言葉に甘えさせてもらって荻窪で拾ってもらった。長谷川くんの話しが盛り上がるトピックを考え探りながら車の中で探してたら19キロくらいの渋滞もすっと乗り越えて思ったより早く着いたと思う。もっと渋滞酷いと思ってた。

丸木美術館は、森の中というか河川敷の側なんだけど集落の奥にあって車を止めて美術館に向かうと河川敷が広がっていて晴天の天気も相まってすごく気持ちがよかった。ここはボーッとできるね。

メインである写真展「阿波根昌鴻 写真と抵抗、そして島の人々」を見る。沖縄県伊江島と本島がメインとなってる展示でこれを受け入れてくれるのは丸木美術館だけなのか、、、と少し寂しい気もした。写真の中にあるのは「生」を求める島民の姿。日本軍、アメリカ軍と戦前、戦中、戦後と権力と暴力の境界線で翻弄され続け、非暴力をもって抵抗した人々。人と村の風景として記録されてる写真もあるが、複数人写ったその人、個、それぞれに執着し焼き付けるような、まさに「生」だと思うんだけど、撮り手の執念のようなものを感じた。この方はこういう人で、ここに住んでて、何歳で、と撮り手から言葉が溢れてくるようなその島の伝道師としてその場所に居て、撮った写真。よく写真の印画紙を切ったら血が出てきたみたいな書き方する論評があるけど、そんなエモーショナルなものではなくてめちゃくちゃ乾いてて写真が語り手となってそこに居る。ただそれだけな写真が多く、たくさんある写真からたくさん読みとって興味深く見させてもらいました。伊江島のことちゃんと調べよう。恥ずかしながら本島との距離感なんかも知らなかった。

常設展である「原爆の図」も1部から12部まで始めてちゃんと見ることができた。思ったよりも大きな絵で、これは視界いっぱいにあの地獄を見せるためにこのサイズでないとダメなんだな思い、先ほどの写真と同じようにそして一人ひとりの被爆者を思い描ききった描写は書き手の執念を感じられ沢山いる犠牲者の重なった遺体も風景とならず、その個に執着しつづけた絵だった。

見たことのある被爆者の写真をトレースしたものもあったけど(Dischrage/HERE〜のインナーに入ってる写真。あの方はご存命でかなり時間が経ってからこれは自分だと名乗りあげた)あそこに写った人も絵の中に入れたいという気持ちはすごく理解できた。写真ってどうしてもシンボリックになることがあって、その一枚絵で「魅せて」しまうことがある、いくつかの群像の中の個として写真から切り抜いてそこに入れたいという描き手の気持ちだ。

被爆者だけでなく水俣病の患者や第五福竜丸の焼津の漁民、杉並で署名をする親子。みんなそれぞれ個を一人ひとり描いている。その群衆があの絵、ひとつひとつなんだ。

自分も写真を撮る時はそういうことを考えてるなと思った、フロアにリスペクトのない人はフレームの中に入れたくないって思ってしまうことがあってよくないことだと思うのだけれど、自分はその人を語ることができないからだと思えた。

長谷川くんの運転で美術館を出た時に「生命の熱いまなざし 丸木美術館」と看板に書いてあって、ああそうだな、、あの絵のひとたちも写真の中の人らも生きてるなと思った。

帰りは渋滞もなくスムーズに、長谷川くんとsmbカフェで昼食を奢らせてもらって別れた。明後日にある反戦行動で今日の交通費を返さないと。

家についた頃にはBSで阪神巨人戦がやっていて、待望の門別くんの今季初登板を見ていたけどなんかフォームに躍動感がない。球も走ってない。

門別くんは低めにキレのあるボールとインコースへのクロスファイヤーが武器で、カウントを取りに行く低めの球に巨人は目付けをしていて、そのボールがいまいち威力がないもんだから集中的に狙われたんだと思ってテレビを見ていた。梅野くんリード云々を言ってる人いたけど、人に求めすぎというかキャッチャーに全てを託しすぎ思考だと思う。調子悪くても試合を仕上げる伊藤将司みたいなピッチャーじゃないから。

そう今日、明後日のテーマは「人に求めすぎ」ね。

阪神も反撃を重ねて巨人を追い詰めるけど、3〜4点差あるのに1点差しかないようにソワソワする阿部監督に不安になった巨人ファンも居たんじゃないか、1992年のヤクルトとの優勝争いの時の中村監督の映像を思い出した。

嘘でもいいからドーンと構えてて欲しい。そういう意味では岡田監督は安心して見れる。よく怒ったり不機嫌そうな監督を忌み嫌う人もいるけど、自分はソワソワしてる人のほうが嫌かな、、、。

@kentanakano
主に取材の分野で写真撮影をしていおります。 ハードコアパンクフォトグラファーの中野です。