土曜日、NHKで「未解決事件 下山事件」が放送されるのでパートナーと待機、、、したかったけど、「甘酢あんの肉団子をたらふく食べたい」というわがままと私の調理の要領の悪さで冒頭を見損じた。話が読めないから冒頭を見たかったというか、川井憲次氏が好きなパートナーにとって冒頭のあのBGMを聞かないと気持ちが入っていかないんだと思う。
国鉄三代ミステリーは歴史の教科書にもサラっと出てくるし、水木しげるの昭和史の中でGHQ占領下の日本の出来事として所謂"逆コース"の流れを汲んで紹介されてる。
再放送を待ち望んでいる方もいると思うので中身は割愛するが、政治や経済などの中枢に食い込んでいった旧日本陸軍や関東軍、かつての諜報機関などを掘り下げる番組がNHKで増えてきた。
山田孝之が出ていたNHKドラマ東京ブラックホールでのGHQにバレないように金塊などを海に沈め火事場泥棒しようとした戦後の隠匿物資、前回の未解決事件でも紹介されていた731部隊の関与など、具体名を出してのドラマ化などだいぶ踏み込んだように思う。
79年前、「うまく逃げ切った連中」が関わった事件の数々にテレビを見ながら言葉に詰まった。
未解決事件 2部が終わったところでザッピングしてるとNHK BSで再放送していた「それでも在日を生きる 〜朝鮮学校“チェーサー”閉校までの記録〜」を続けて一緒に見た。
自分は大学のゼミで生野区の在日コリアンの地域でフィールドワークをしていたことがある。別に高尚な理由もなく「あのゼミは街歩いてれば単位がもらえる」という噂から履修したもので、当時ノンポリで2chのまとめサイトなんかを見ていた自分にとっては斜めから街を見ながら歩いていた。今、振り返ればそう思う。
未解決事件よりも食いついて見ていたパートナーからは「在日コリアンに対しての解像度が上がった」と感想を言ってくれたけど、ゼミを終えた時の自分も同じ感想だった。複雑でズレながら重なったレイヤーもひとつひとつを見ていけば難しくはない。
閉校になってみんながバラバラになるシーンでは泣きそうになったけど、あの時の感情はもらい涙とマジョリティとして本当に色々と申し訳ないという気持ちが混ざったもので、番組中盤に朝鮮学校に対する補助金カットについて述べている橋本元大阪知事の会見は、ネット上のまとめサイトを全部まとめて希釈した"解像度"の低いコメントといったら無かった。
ちょうどフィールドワークの時と橋本時代とは時間が交わる。在日コリアンに対する公的な立場からの断絶と、ヘイト。
フィールドワーク先での「いっぺん止めてしまうと(文化や民族的なアイデンティティや居場所の意味を含む)もう、戻らんくなる」という言葉を強く記憶してる。