目が覚めては枕に沈みこんで二度寝三度寝していた。母が送ってくれた荷物が届いたインターホンで起こされ、中を開けると和菓子とおこわが詰まっていた。本当は月曜に受け取る予定だったのを、時間割の都合で今日水曜に変更したので、割引されたおこわは少し悪くなっていたらしい。らしいというのは、そのことを知ったのが完食のあとだったからだ。たしかに電子レンジで何回温めても米が少しかたかった。そういう商品なのかなあと呑気に食べた。幸い今のところ腹に異常なし
3限の授業を担当する先生が、高校で一番好きだったおじちゃん先生の雰囲気に似ていて嬉しかった。分厚くて重たい資料と幼児向けの絵本を同時に回してくれた。「パンどろぼう」、「どすこいみいちゃんパンやさん」、「ぬまの100かいだてのいえ」。小学校の図書室に降り注いでいた午後の光と、その光を受けてちりちりと反射するほこりと、今年5歳になる姪のことを思う。
教室の窓から廊下へときおり吹き抜ける、ぬるくてかすかに草のにおいがする風のせいで居眠りをしていた。もしくは昨日の夜更かしのせいとも言える。今日は早く寝る。といいつつもう23時49分。0時前の就寝はもれなく早寝判定であってほしい。日記をちゃんと書くぞという日と、めんどくさいなと思う日があり、ここしばらくは後者だった。今日はなんとなく書いておこうと思った。バイト終わりの空気に間違いなく夏の指先が見えていたことと、図書館に続く階段の端に桜の花びらたちがうずくまって息を凝らして踏みつけられるのを恐れていたことが、春のおわりを密やかに主張していた。