夕方から雨の音が聞こえてきた、でも今夜は友達と会う予定が入っているので気分は落ち込まない。18時半までだらだらとYouTubeで動画を見たり絵を描いたりして過ごし、少しだけ眠り、着替えてから出かけた。ウエルシアでカントリーマアムとさきいかとお酒と、夕飯用に30パーセント引きのおにぎりと水をカゴに入れる。頼まれていたパンも買っていく。初めての年齢確認を経験する。20歳4日目。先輩と友達がお祝いをしてくれる。
約2ヶ月ぶりに入った部屋は相変わらずきちんと整頓されていて、そこには家主の性格が現れていると毎度思う。サラダを盛り付けるのを見ながらテレビのアニソン総選挙を聞き流す。鬼滅の刃が5年前と聞いて悲鳴をあげる。遅刻するとの連絡が入ったため、先にいただくことにした。自作だというソースが本当に美味しくて、はやく店を構えればいいのにと思った。合流してから乾杯し、コナンの映画を2つ観た。何を観るかでつらつらと劇場版のタイトルを挙げていくのが面白かった。私はほとんど最近のシリーズしか観ていないので完全におまかせすることにした。信頼。それが好きだという人たちの、それが好きだという会話を聞くのが、好きだ。机を覆うほど用意された食べ物の数々はあっという間に、本当にあっという間に無くなり、サラダをおかわりし、ロールケーキを二つとカルピス味のクーリッシュを食べた。食べても食べてもまだまだいけるような気がして、でもさすがに時間がそれを許さなかった。食べたけど。お酒のおかげで指先と足先がぽかぽかして、机に腕を枕にしているといつもより早い心臓の音がよく聞こえてきた。ただ純粋にたのしかった。それ以外なにもいらなかった。いつか大阪で食べ歩きをしたい話と嫌な教授の話で盛り上がり、酔いがゆるりと巡り、全員床に寝転んでいた。散歩に行きたかったが雨だった。
完全に酔った先輩が玄関までなんとか見送ってくれた。ふにゃふにゃした「おやすみ」を交わした。ドアを開けたら雨の空気がさあ帰ろうと待ち構えていて、雨まだ降ってんじゃんいやだねとこぼしながらも、しかし私はその湿った夜に幸福感をおぼえつつ帰路についた。新しい一週間がまた始まり、わたしたちは眠る。