自分は生きるのがへたくそだなとつくづく思う。
衝動と熱を我慢することが苦手で、欲しいとか行きたいとか見たいと思ってしまうともう動かずにはいられない。要領は悪いし、お金は余分にかかるし、時間はカツカツになる。
いきつけの美容室のスタッフさんに「いつも何かと戦ってますよね」と言われた。せわしない予定を組んでいたりチケット取りで疲弊していたりするからだろう。大人になってまで胸を焦がして、と椎名林檎が歌っていたが(好きな曲である)人生は夢というか欲望だらけである。おうし座は占星術的には物欲と所有欲の星らしい。すごくわかる。
子供のころから好きになったものにはずっと触っていたかった。物理的にでも精神的にでも。囲まれていたかったし、ずっとそのことを考えていたかった。ちなみに大人になった今でもそうだ。グッズの類はきりがないので厳選するようにしているが、四六時中そのことを考えているのは変わらない。一般的な人の頭の中がどうなっているのかわからないけど私からこのフィルターを省いたら、多分一週間も生きられない。熱狂と物語というバフがあるから、私はなんとか現実の中で生きていられるのだ。日常とは毒の沼のようなもので、そこにいるだけで少しずつHPが削れていく。毒無効、あるいは毒軽減の装備が私にとっての『趣味』なのだ。
それがなくなるのが怖い。フィルターなしで見た現実なんて、グロテスクでとても直視できない。なのでかき集める。装備する。砦なのかもしれない。物語と熱狂、幻想と妄想は私の動く城だ。
結局宗教も、アイドルも、二次元も、本質は変わらない気がする。人は日々の痛みを忘れる麻酔薬を探しているのかもしれない。
ところで、そろそろアクリルの板が部屋に飾れなくなってきた。厳選している、とは?