ハイキューを全巻衝動買いしたので読んでいる。まぶしくてまぶしくて、楽しくてちょっとしんどい。
漫画を読みながら、爪が食い込むまで手を握り締めていた。気が付くと右手のひらが痛くて、見たら爪痕がくっきり残っていて、こんなこと初めてだったのでちょっとびっくりしている。スラムダンクの映画を初めて見たとき同じ状態になった。物語に没入している一つのバロメーターなのかもしれない。やっぱりとても面白い。リアルタイムでもっとまじめに追っていればと少し思うけれど、一気読みはずっとその世界に浸っていられるという幸せがある。
夢中になれるものがある、どんなに苦しくても好きだと思えるものがあるという眩しさ、それに触れている高揚感、同時にどこか後ろめたさを覚え始める。きらきらと輝く少年たちに心からの称賛を送りながら、同時にひりひりとした痛みを感じている。私は今まで「頑張った」ことがない。少なくとも自分はそう感じているし、頑張った、やり切った、と思ったことがないのはずっとコンプレックスになっている。楽しいことばかり数珠繋ぎで生きていくことの何が悪いのかという碇シンジのセリフに同意してしまうし、しんどいことからは子供の時からずっと逃げ続けている。これは外から見てどうという話ではない。さぼったことは自分が一番よくわかっているし、自分がわかるなら他人も気づいているだろう。『漫画のように』夢中になれるものがある人のほうが稀なのかもしれない。でもそうなりたい、と願っている。
焦る、ということは自分もまだ手に入れられると思っているのだろうか。