風が語りかけます。うまい。うますぎる。ゲーム作りが。
レベルデザインの秀逸さ、シナリオ・アートとゲーム性の有機的な結びつき等々、相当にハイレベル。
イントロからUIの説明をサラリとこなし、チュートリアルをチュートリアルと感じさせないまま世界観導入からのタイトルシークエンス。完璧ではないだろうか。
「影をあやつる」というN番煎じのアイデアも、複数の影の重ね合わせによる舞台装置の変化、重力方向のコントロール(これがまたユーザーの能動的な意図である程度想定できる範囲なのがすごい)など、十二分にゲームシステムとして練られている。
音楽も秀逸でグイグイ引き込んでくれ、ユーザーの琴線にガンガン触れてくる。
少々気になる基本移動の遅さはキャラクター心情の現れといえば許容できる範囲で、対照的にRTボタンでシームレスに時を戻すシステムでは高速なアニメーションで表現されるためストレスを感じさせない。リカバリの提供方法としてもスタート地点から再度やり直しよりも遥かに優れたUXを与えてくれる。発明と言ってよい。
唯一気になったのがゲーム終盤で唐突に出てくる「Bキーのアクション」だ。ここだけご都合主義的に感じてしまうので、例えば序盤で「ぬいぐるみの中に入って身を隠す」ようなユーザー体験を与えておけばワンクッションとなったのではと思う。
しかし繰り返すが総じて素晴らしい仕上がりであるし、セール中であれば500円を切る価格になることもあるので、倉庫番的パズルゲームというジャンル自体がNGでなければぜひ。
無茶苦茶オススメです!!