「Houdiniを始める前に英語を学んだほうがいいですか。」
「Houdiniを始める前に数学を学んだほうがいいですか。」
「Houdiniを始める前に物理を学んだほうがいいですか。」
「Houdiniを始める前にプログラミングを学んだほうがいいですか。」
上記は初学者、特にまだHoudiniに触れていない方々によく聞かれる質問だ。
10年以上Houdiniを触ってきた僕の回答はずっと変わっていないので、ここでまとめておこうと思う。
まず英語も数学も物理もプログラミングも、バックグラウンドにあれば当然Houdiniを扱う上で武器になる。
だが、僕らは学者になりたいわけでも、プログラマになりたいわけでもない、基本的にはアーティストとしてHoudiniを使うことになる。だから安心してHoudiniの世界に飛び込んで欲しい。そして必要になったらつどそれらを勉強をすればいいと思う。
※ ツールエンジニアの指向性が強い人はアート色は薄くなるけれど
しかし、Houdiniを始める前に個人的に推したい学び方として「Houdiniより先に一般的な他の統合型3DCGツール(MayaやBlenderなど)を一通り触れておく」というものがある。
他のDCCツールの達人になる必要は全く無いが、UVって何?頂点って何?フェースって何?法線って何?マテリアルって何?などの「一般的なCGの仕組み」は先に知っておいて欲しい。
他のDCCツールが徒歩だとしたら、Houdiniは自転車や車、飛行機に乗ったり、場合によっては飛行場を作ることすらあるが、近所のコンビニにブラっと行ける能力はとても大切になってくる。
※ これは徒歩が劣っていると言っているわけではないので念の為
徒歩で散策ができるようになれば、毎日の通勤に飛行機を使うのは筋が悪いということに気付けるし、徒歩と自転車の構造的な違いもわかるようになり、そこから発展して電動アシスト自転車だって作れるようになるだろう。
Houdiniは良くも悪くも一般的な3DCGツールの概念をぶっ壊す。しかし元となる概念を一切知らなければ、そのありがたさもわからず挫折してしまうだろう。
デファクトスタンダードならばMaya、フリーのOSSに魅力を感じるならばBlenderでもいい。
少しだけ遠回りして近所の歩き方を学ぶことをおすすめする。