スマートフォンのアプリ開発の行く先を考える

kikikomomi
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スマートフォンに集約にされた情報機器はまた新たな方向へ舵を切ろうとしている。

前提としてスマートフォンがなぜ今のような状態になったのかを振り返ろう。

スマートフォンが一般に普及したころには家電は今のようにIoT化されているわけではなかった。つまりスマートフォンは一般人が唯一利用する高度な情報端末であった。

そのため何か高度な計算やインターネット通信を必要とする価値を提供するためにはスマートフォンにアプリケーションとして組み込む必要があった。

その状態がしばらくの間進んだためスマートフォンにはさまざまな分野の会社がさまざまなサービスをアプリケーションとして提供するようになった。スマートフォンでのアプリケーションはSNSなどのwebサービスとして価値を提供するものに注目を浴びている。

その中で目覚ましストップウォッチといったそれぞれが独立した機能を有していた電子機器や、カレンダーやノートなど紙媒体で情報を管理するツールについてもスマートフォンのアプリケーションとして利用するのが一般的になってきている。

だが最近IoT化が進む中で少し状態が変化してきている。レンジ、炊飯器、エアコンなどの家電や照明、鍵などの家の機能にまでICが組み込まれ、ネットワークに接続しある程度の計算が可能となっている。

そのためこれまでと同じように全てのシステムをスマートフォンで一括して管理する必要がなくなっている。それぞれが必要とする機能を必要とする処理能力のチップを載せた一つの機械として簡潔させられるようになった。

つまりこれからは今までと同じように全てのサービスがスマートフォンのアプリケーションによって制御される一極集中の環境でなく、ある程度の機能についてはそれぞれに分散されユーザーも必要に応じて必要なサービスを手にいれるような仕組みへと変化していくと考えられる。

これには企業としてもメリットがある。スマートフォンでのアプリ開発ではスマートフォン開発に新規参入が難しいため、ソフトウェアだけの開発と提供になる。ユーザーはスマートフォンを利用するために少なくはないお金を支払っており、その上に提供されるソフトウェアにさらに高いお金をかけるのが難しい。また競合他社の製品とは提供する体験が似通ったものとなりやすく、サービスでの差別化が難しい。そのため価格競争が行われ、高い値段を設定するとユーザーを増やせない。

しかしハードとセットでの提供ではこの問題がある程度解消する。ソフトウェアだけでなく、ハードウェアを自社で設計できるのでソフトウェア開発に比べて自由に価格の調整ができる。また物理的な商品を伴うシステムではデジタルネイティブではない世代の人からも購買されやすく現在の日本では適したビジネススタイルになるといえる。

よって今後の社会ではスマートフォンを中心に置いたアプリ開発はやや下火になり、それぞれの機能が分散したIoT製品の競争が活発になると考えられる。