昔からどうにも人の顔を覚えられない。
相貌失認ではないようで全く覚えられない訳ではなく、ぼんやりとした印象などはちゃんと記憶にある。輪郭とか眼窩の窪み具合とか…ね。
ただ情報が少ない。他は服やアクセサリや髪型など、良く変わる可能性が高いもの。しかし髪型も概形だけとか、記憶に残るものはどうにも心許ない。私は何を見ているんだ。何を見てるんだろうねぇ。
ので、この情報だけで識別していると、人をよく間違える。この前もFlutterKaigiのメンバーを別のメンバーと間違えてしまった。その節は大変申し訳ございませんでした…
先述の通り全く覚えられない訳ではないのだが、そこそこ長い時間を顔を合わせて過ごさないと記憶に定着しない。経験から、合計で大体40時間程度とかそれくらい。なので勉強会やカンファレンスで数回顔を合わせた程度だと記憶できないことがほとんどだ。
大抵初見では誰かわからないので、他の情報で頑張って特定を試みている。男性で…メガネ…細面…困ったな、エンジニア界隈にはたくさんいるぞ？
他に頼りになる情報は、声や仕草である。
声は特徴的だとよく覚えられる。倍音成分よりも、発音の仕方の方が特徴が出やすい。私の中で強く印象に残る人は大抵発音に特徴があって、インパクトもある。声が極端に高かったり、低かったり、こもっていたりすると覚えやすい。こもっていると、覚えやすくても聞き取りづらい問題はあるが。
仕草は歩き方や手遊みなど。ただ、良く見ないとわからない仕草や、仕草が一貫していなかったりすると覚えられない。
どの方法も、なかなか欠落した情報を埋めるには足りない。
なので、結局は会話してみて出て来た話題からどの人なのかを判別することになる！「○○の話題はxxさんしか話してなかったはずだから、目の前の人はxxさんだ！」という具合である。
もちろん、外す時は外す。別に○○の話題を話しているのはxxさんに限らないのだ。しかも訳知り顔で話してる目の前のやつが自分を他の人と間違えているのだから、相手にとっても不愉快なことになる。ごめんなさい。
私はスマートグラスの普及やスマートコンタクトレンズの登場を心待ちにしている。顔認識して名前を出してくれたり、Twitterのアイコン(これはよく覚えている。不思議なもんだ)、果ては以前に話していた会話のサマリーを表示してくれるアプリケーションが欲しいのだ。それがあればもう人を間違えることはあるまい。メガネが視界を補助してくれるように、技術が認知を補助してくれるだろう。かがくのちからってすげー！
問題はそれがまだしばらく遠い未来のことになりそうだということである。それまでどう解決したら良いのやら。
一発目の自己紹介で「人の顔と名前を覚えるのがとても苦手なので、みなさん名札見せてくださいね！」と言うようにしてるが、名札がないと結局識別が難しいし、あっても名札が裏返っていたり文字が小さくて識別できなかったりする。話の流れをぶった斬って名札を確認しにいく度胸は無い。顔を合わせるのが２回目以降でも「私、xxですよ」と名乗ってくださる優しい方もいらっしゃるが、希少だ。そしてそういう優しい方はよく覚えていたりする。
結局は技術の進歩を待つしか完全な解決策はなさそうだ。早くスマートコンタクトレンズ実現してくれ〜頼む〜