「幸せの反対はなんだと思う?」
突然そう聞かれた。「不幸せじゃないよね」
「それはなしかな」
結構困った。「それこそ子供の頃に思っていたよりもずっと幸せは感じているのだけど、反対はなんだろう。暇。じゃないな」
「暇は違いそうだね」
「わからないな」
「私は幸せに生きるの得意だよ」
少し驚いた。何か満ちている状態が幸せだと思っていた。しかも満ちても、より満たしたくなるようなものだと思っていた。
わりといつも欠けていると感じていた。それが子供の頃の不幸な感覚。
満たされず、足りず。不満で不幸な感覚。
幸せに生きることはできるのだろうか。
幸せとはなんだろうか。状態ではなく、在り方や行為なのだろうか。
もう少しこの問いかけを手元においておきたい。