ウェンズデーなので映画。密輸1970を観た。
冒頭〜捕まるまでの音楽がとにかく良く、日本でも昭和歌謡〜ドリフターズバンドにあたる時期なのか、それらにかなり近いムードが漂う。
水中でバトンタッチする姿は海中のRRRだ!って思ったし、写真は超いいし、上下のジャケパンをチェンジして着てるのが最高だし、船で二人で舵取りをするシーンはちょっと泣けた。
『マッドマックス フュリオサ』に続き、権力のある男性は見ていて辛くなるのでは…と心配になるほど、フュリオサ以上に男はコテンパン(どころか死ぬ)し、最後にはちょっと味方サイドだったクォンしか残っていないんだもの。お父さんと弟が亡くなったのも本当に悲しい。
思うところは多々あり、最後の爽やかさに対してかなりバイオレンスで人が死にまくるし、かなり残酷だし、サメが悪者にされてるし…
というのと、あまり現代的でない(だからこそ1970年と設定してるのだろうか)ストーリーであるのが、側から見ると権力者を殺してめでたし!といったところ。不正を働く権力者がいたら、それにおもねって懐を肥やす人がいたらサメに食わせるか海に沈めるしかないのか?現代だとそれはダメだよね…となる(現代でも司法も検察もしっかりしてくれよ)
そして、結局物語上ジンスクがチャンジャに協力するに至るのであれば、きっかけが仲間がサメに襲われて手術費が…となるのも残酷だと思うし、そうでなくても状況が良くないのは十分わかるストーリーなので、あまりあって欲しくなかったな…という気持ち。結局ダイヤがあったところで環境破壊した工場は?障害を抱えた人々の福祉は?賄賂が横行している税関や警察へのお咎めは???となってしかるべしと思う。きっとそれらを1990〜2000年代は踏まえたのだろうなと思いつつ、ふとまだまだ良くなっていない点には頭を抱えちゃう2時間強カロリー消費強めのエンタメ映画でした。汗を流して働くプロの労働者を舐めるな!司法検察は仕事してくれ!な映画!
キムヘス作品をもっと観たい!そして、プレイリストを出して欲しい!
配給がKADOKAWAということで予告は韓国映画とそれらに関するものだったけれど、邦画がいずれも『学生のドキドキラブゲーム!』みたいな感じでかなり高低差のある予告時間だった。あれだけ使い古されたヘテロラブハイスクールストーリー、密輸1970の観賞層と合うとは自分は思えなかった。