たとえ君の気まぐれだとしても

花を踏む
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過剰さは悪、退廃、点滅、夢見てはいけない堕落。山の頂きは信仰の対象なのに、高すぎる人工の塔は、満足感と同時に人間をうっすらと怯えさせる。禁忌なんていい加減な、人によって程度の差がある概念なのに。もし何にも怯えずに暗闇を走り続ければ、過剰さも悪も混ざり合い、うすべったくなって、最後には消えてくれるかもしれない。ぬるい水で何倍も希釈された薄くけだるい午後の授業のなか、身体の真ん中の熱く固い矢じりは、終業のベルばかり待ち望むクラスメイトたちの合間を縫い、窓際へ、急激に引き寄せられる。強い磁力で、じりじりと、抗いがたく。たとえ五千年の歴史が、どんな誤りを犯していても。

@kimihazurui
あなたの為に死ねるならそれ以上の幸せはないよ