物を創る

昨日、父の仕事を整理する関係で、東京の出版社の方とお会いした。その方はもうすでに第一線を退かれてはいたが、長年父の著作に編集者として携わって下さっていた方だ。ベテランのプロの編集員とはこのような方なのかと大いに驚き、感銘を受けた。

その方の視野の広さ。人脈を広げていく懐の大きさ。大らかさ。人間的な魅力。記憶力のすばらしさ。ポンポン出て来る著名な方々（今はもう故人となられた方も多い）のエピソードが実に豪快で楽しくて思わず長時間聞き入ってしまった。

物を創る人たちの情熱はなんてユニークですばらしいのだろう。それぞれ個性的だが根本にある何かを追い求めたい、創り上げたいという切実な願いは、どの人も共通しているように思う。

ずっと地方でちんまりと暮らしていて、久しぶりに東京の方に触れ、大変な刺激を受けた。本当は気後れする部分も多くて、正直億劫でもあった。だがお目に掛かれてよかったと今は強く思う。

この気持ちを忘れないように、ここに書き留めておく。