定期的に韓国ドラマを見る期がやってくる。今また来ている。
日本ドラマ期、映画館に割と行く期、舞台に通う期、小説を読む期、漫画をやたら買う期。何かしら物語を取り込みたいという欲は自分の中に常にあるけれど、時期によってその媒体が異なる。
韓国ドラマはファンタジー作品が豊富なところが好きだ。私は昔からファンタジーが好きで、漫画でも小説でもアニメでも、頭の中を異世界に飛ばせるのが好きなのだと思う。そこまでのがっつりファンタジーじゃなかったにしても、"目の前の現実世界"では起こり得ないことが起きている世界に一時的に住める感覚が良い。現実世界の重要度や自明性ががその瞬間ぼやけて、数ある世界のうちのひとつ、ぐらいの感覚になる。目の前の現実が程よくどうでも良くなり、ちっぽけで、不確かなものに見える。この世界は無数にありある世界のうち、たった一つの形でしかないのだ、という気がしてくる。偉そうに当たり前のように、めちゃくちゃ重要そうに居座っている目の前の現実世界の、ぴんと張った線が緩むような感覚に心地よさを覚える。たぶん昔から。まあそんなことはおいておいても、単純に私はファンタジー作品が好きなのだ。自由で、遠くて、この世の理で動かない、もしくは一部理が壊れていたりずれていたりする。その世界に足を運び、頭と心を置いておく。その時間が好きだ。
話を戻す。韓国ドラマにはファンタジーものが沢山ある。しかも幅広い。タイムスリップしたり、不死の武人がいたり、死神が出てきたり、九尾が出てきたり、目の前の世界が実は漫画の世界であることがわかったり、前世の記憶を複数持ち続ける主人公がいたり、魂を術で入れ替えることができたり。「よく思いつくなそんな設定が!しかもちゃんと内容も濃密で面白いな!?」みたいなドラマが沢山あって、大変ありがたい。日本のドラマにもファンタジーものがないことはないのだけれど、正直あんまり面白いと思えるものには出会ったことがない。いや、私が知らないだけかもしれないのだけど、そもそも数が少ないと思う。あと、あってもなぜか分からないけどどこかトンチキの香りがしたり、ちょっと詰めが甘かったり、もしくは少しふざけた感じになる。いや、正直詰めの甘さで言ったら韓国ドラマも詰めは結構甘いし強引な展開もあったりはする。韓国ドラマは結構勢いと雰囲気でドラマティック包みしたものもも多い。それでもなんか、気概を感じるのである。""本気のファンタジー""を作ったるぞという気概。そう、私は至極真面目にファンタジーを見たいのだ。茶化さずごまかさず、ちゃんとがっつりファンタジーファンタジーして欲しいのだと思う。
なので、ファンタジー欲が出てきた時は韓国ドラマに走りがちである。小説でも漫画でも日本には素晴らしいファンタジー作品は沢山あるのに、何でドラマだとあんまりないんだろうな。日本ドラマが悪いと言っているわけではない。ファンタジードラマがとぼしい、もっと欲しい。
したがって、現状私のファンタジードラマ欲は大体韓国ドラマで満たされる。最近もそう。今日は『この恋は不可抗力』を3話まで進めた。韓国ドラマ、大体20〜30話ぐらいあるので、1、2話はなかなか辛抱の時間というか、調子がまだ乗ってこなかったりしがちだけど、3,4話ぐらいから急にわくわくしてくる感じがある。お、きたきたきた、ここからここから」みたいな高揚感。ようやく楽しくなってきたのでじわじわと見進めようと思う(話数見ると長い感じするけどハマるとあっという間に終わっちゃうんだよな……)。