9月中頃あたりから、玄関の外灯横の壁に、2匹のヤモリを見かけるようになった。仕事から帰ってきて、バッグから鍵を出そうとゴソゴソやってる時に目が合う……気がしている。
個人的にヤモリは苦手ではない。田舎なので昔からよく目にしていたし、窓ガラスに張り付いているのを内側から見るのもなんだかかわいくて好きだった記憶がある。
そして私は本が好きな子どもでもあった。特にファンタジーや時代物の物語が大好きだったこともあり、ヤモリを「家守」イモリを「井守」と書くと知った時は、家を守る……かっこいい!!と興奮して、ヤモリへの好感度が爆上がりしたのを覚えているし、なんなら今もワクワクする。ついでに言うと、梨木香歩の「家守綺譚」も本屋でタイトル見て即買いしました。
同じくらいのサイズで、寄り添うようにヤモリが2匹。外灯の横なら餌場にいいよね、夫婦かな?仲いいね。と微笑ましく思っていたんだけど、ここ数日は1匹しか見かけなくて、ちょっと心配になっている。うちには天敵とされる猫がいるけど、外には出さない&ここ最近外猫も野良も近隣にはいないので猫に狩られたとかの可能性は低いと思う。あとは鳥……鳥は……そこそこいるなあ、朝からちょいちょい見かけるなあ……
今夜もいつもの壁にヤモリはひとりだった。いつものように、目が合う。
ええと、奥さんか旦那さんかお友達かご家族か恋人かはわからないけど
「お連れさん、元気?」いつものように鍵をゴソゴソ探しながら聞いてみる。
こっちを見る目が、心なしか寂しそうな気が……多分、私の勝手な思い込みなんだろうけど。