夫が誕生日を迎えた。
わたしたち夫婦はとても仲がいい。
趣味はまぁまぁ近しいし、嫌いなものの感覚が近くて一緒にいて軽蔑したくなるようなことはないし、どこかへ遊びに行く相手を考えるときにも、ほとんどの場合、夫を誘うのが楽しかろうと思う。
そう話すと、性格や価値観が似ているんですね、と言われることもあるけど、そこは違う。
共通点は、二つの円を少しだけ重なるように並べて置いて、その、ほんの一部だけ重なった部分が近しいというだけで、ほとんどの部分はおおよそ別物。
だから長い時間をかけて、「わたしはこういうことをされるのがイヤだ」「いまこんなことが納得がいっていない」というような話し合いを、本当にとんでもない長い時間をかけて、話し合ってお互いの「納得点(妥協点)」を見つけて暮らしている。
価値観が違うので「ちょっと聞きたいことがあるんだけど」と、自分が理解できないと感じる事柄について、確認してみる相手としても、おおいに助かっている。それはどういうことだどういうことだとしつこくするわたしに、気が済むまで付き合ってくれる。
夫は、安定していて、「やらなきゃいけないけど、どうにも取り掛かれない」みたいなことはなく、そのときその場所で、こなすべきことを、すっとこなせる。不機嫌になるようなこともない。
かといって、不安定極まりない、わたしのことを非難することもない。
ああ、素晴らしい人だな。
夫の今年が、よき年になりますように。