DevRelはじめました

kinzal
·
公開:2023/12/17

ひょんなことがあってブロックチェーン関係のDevRelの仕事をはじめました。

なんではじめたの?

話がきたときに、やったことがなかったしおもしろそう!というものすごい軽い動機ではじめました。

いくつか僕の中でのおもしろポイントはあって

  • ブロックチェーン

  • DevRel

  • 日本国外との契約

  • ドル相当の暗号資産払い

といったあたりです。軽くはじめたけど税金関係がめちゃ面倒と、お金を受け取ってから気づいたぐらいには軽くはじめてます。

余談ですが、本業でしっかりおちんぎんを貰っているので、まぁFireされても生活に困らないし、滑らないネタとして活用できそうなぐらいの温度感です。

DevRelってなんだろう?

で、はじめたはいいけど、そもそもDevRelってなんだろう?というので勉強しました。

デベロッパー・リレーションズ(Developer Relations)とは、DevRelと略される包括的な用語であり、製品の主要なユーザーであり、しばしば購買に影響を与える存在である組織と開発者(ソフトウェア開発者など)との間に、相互に有益な関係のコミュニティを構築し、育成するための戦略や戦術を指す。

うむ。わからん。というのでいくつか書籍を読んで学びました。

ざっくりと自分の言葉にすると、DevRelは製品を利用する開発者コミュニティを支援し、コミュニティを活性化、コミュニティからのフィードバックを製品側に伝える役割を持ちます。

このDevRelの活動としてもっとも重要になるのはコミュニティと信頼関係を気づくことであり、こちらから発信するだけではなく、コミュニティからちゃんと信頼され話をしてもらえるように振る舞うことが大切だと認識しました。

人と関わるのが下手な僕に向いていないのでは・・・?

DevRelって何をするの?

では、そんなDevRelの活動としてどんなことをやるのか。ざっと洗うためにChatGPTでリストアップしてみました。

  1. コミュニティの育成と管理 - 開発者コミュニティの構築と維持

  2. 製品フィードバックの収集と伝達 - 開発者からのフィードバックを収集し、製品チームに伝える

  3. テクニカルコンテンツの作成 - ブログ、チュートリアル、ドキュメンテーションの作成

  4. イベントの企画と実施 - ミートアップ、カンファレンス、ワークショップの企画と運営

  5. 製品のデモとプレゼンテーション - 製品の機能や利点を紹介する

  6. デベロッパーサポート - 開発者からの技術的な質問に答える

  7. パートナーシップの構築 - 他の企業や組織との関係構築

  8. オンラインプレゼンスの管理 - ソーシャルメディア、フォーラム、ブログの管理

  9. エバンジェリスト活動 - 製品やテクノロジーを市場に広める

  10. 市場調査 - 競合分析や業界の動向を調査する

  11. 教育とトレーニングプログラムの開発 - 開発者向けの教育資料やトレーニングプログラムの作成

  12. フィードバックループの維持 - 定期的なフィードバックの収集と製品改善への反映

  13. APIやSDKのドキュメンテーションの作成と改善 - 開発者が製品を簡単に使用できるように、詳細でわかりやすいドキュメンテーションを提供する

  14. ユーザーグループやコミュニティイベントのスポンサーシップの管理 - 関連するコミュニティイベントやミートアップへのスポンサーシップを調整する

  15. 開発者向けの製品改善提案 - 開発者からのフィードバックを基に製品改善の提案を行う

  16. インフルエンサーとの関係構築 - 業界の影響力のある人物や団体との関係を築く

  17. コンテンツマーケティング - SEO対策を含めた開発者向けのマーケティングコンテンツを作成する

  18. オープンソースプロジェクトのサポートと貢献 - 社内外のオープンソースプロジェクトへのサポートや貢献を行う

  19. 新技術の評価と採用 - 新しい技術やツールを評価し、必要に応じて採用する

  20. 社内の技術知識の共有と普及 - DevRelの専門知識を社内で共有し、他のチームとの連携を強化する

  21. ユーザーストーリーやケーススタディの作成 - 成功事例やユーザーの体験談をまとめる

  22. 技術的なリーダーシップとアドボカシー - 業界における技術的なリーダーシップを示し、製品や技術の優位性をアピールする

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> いっぱいある <

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何と言うか、初期の頃のSREを思い出す業務範囲ですね。良くも悪くもスーパーマンを求められていて、混沌とした未成熟な役割な印象です。SREも時間が経つにつれ、Platform Engineer、Embedded SREなど役割が細分化されてきているので、そのうちDevRelもそうなるのだろうなと思いました。

DevRelとしてどこを目指すの?

僕は短時間の契約でDevRelをしているので、さすがにこれを全部やれないし、やると散漫になって成果が出なくなってしまいます。

そこで絞るためにまず軸を作ろうといろいろと考えてみた結果

  • 僕が継続できる

  • 僕がFireされても引き継げるように定型化できる

と言うところを軸にやることを精査していこうと考えました。

そもそもとして、僕は仕事が嫌いで、自分の仕事をなくすために仕事をしているという人間です。そのために、こういった荒野を開拓して道を作るというのはよくやることなので自分の強みを活かせそうだという考えもあります。

DevRelとして何をしたの?

というわけで、かれこれ3ヶ月ぐらいいろいろとやってきました。

ターゲット探し

まず、ターゲットとなる製品を利用している開発者探しです。ここの母数をもとに今後の活動のベースになる数値を作るということですね。

この探し方はいろいろ迷いましたが、下記のようなところを調べました

  • 製品に関しての記事などのアウトプット

  • 製品に関してのSNSなどの投稿

  • 製品に関してニュースリリースを出している企業

  • 過去の製品に関係するイベント

  • Googleトレンド

などなど、とりあえず数字を出そうということでいろいろと調べました。可能なら採用媒体なども見たかったのですが無料でできるのかよくわからなかったので諦めました。

他にもGitHubなども見たかったのですが、国別でコミッターを探すのも難しかったので諦めています。

この活動でそもそも母集団が小さいということがわかってきました。

ただ、ここでおもしろいのは僕が関わっている製品はブロックチェーン界隈で言えば認知度はほぼ100%に近いと言っても過言ではないというところです。つまり、どこかに開発者として参入障壁があるのだろうというので、そこを取り除くことが重要だろうと考えています。

また、他の製品を見たりしても、そもそものブロックチェーン界隈での開発者母集団が小さいのでは?と疑っているところもあります。こちらは具体的な数字を作れていないので推測ですが、開発者の母集団と比べるとそう間違ってはいないだろうなと考えています。そのためそちらへのアプローチも重要になりそうだと考えています。

入門記事のアウトプット

障壁の1つとして一般的に難しいと言われる技術が使われているため、入門関係の記事をいくつか書いてみました。

これは僕のキャッチアップも兼ねています。個人的な考えでは開発者に信頼されるにはちゃんと開発して、アウトプットを行うことが重要だと思っているので一石二鳥も狙っています。ちなみに一番信頼されるのは製品を作り、きちんと運用している人だと思っているので、時間ができたら何か作ろうとは思ってます。

実際に記事を書いてみて、閲覧数などをみている限りあまり見られないということも見えてきており、母集団が小さいという裏付けにもなってきています。(ただし、これは僕の発信力の低さもあると思います)

オフラインイベントの開催

コミュニティとの関係性を深めるのと、開催することで製品が日本でも使われている事例があるというのを開発者に知ってもらう目的で、オフラインイベントの開催を行いました。

あとは僕がやってみたかったのと、開発者同士でわちゃわちゃするの楽しいよねというのもあります。

これは無事に満員になり、参加者のみなさんと楽しめる時間を作れてよかったなと思っています。

ただ、運営視点で見るといろいろと反省点ではでますね。まぁ滞りなく進めれてので最低ラインは越えれたと信じたい。

オンラインイベントの開催

オフラインイベントの宣伝を兼ねてオンラインイベントとしてYoutubeの配信を行いました。まぁおかげさまで宣伝前に定員が埋まったのでなくてもよかったのですが、ブロックチェーン界隈ではないところへのリーチ、コンテンツの拡充という狙いもあったので実施しています。

もともとボイスチェンジャーで遊ぶ用や、オンライン会議用に機材を揃えてたのですが、いざ配信するとなると正解がわからない!というで下記の本にはとても助けてもらいました。

今回は1人での配信だったのでそこまできっちりせずに何とかなりましたが、多人数での配信をしようとするなら一度は読んでおくのをおすすめです。

アドベントカレンダーの実施

ちょうどアドベントカレンダーの時期だったので、アドベントカレンダーも作りました。最悪1人で全部埋める覚悟はしていましたが、全部埋まってくれて本当に嬉しかったです。

こちらはDevRelのターゲットだけに絞るとまず間違いなく過疎る。ある種のお祭りなので何でもありでいこう!というコンセプトでやりました。

まぁお祭りなので特に効果などは計測していません。

DevRelとして活動してみてどうだった?

いろいろやってみて思うのは向いてる部分と向いていない部分があると気づきました。

僕は多芸な人間で開発、記事、グラフィック、映像、音楽(最近はじめた)といろいろできるのでコンテンツを作ったり、一人で企画して活動できるので素早く決断してアウトプットできるのはかなり強みです。

反面、一人でできるので巻き込む力がかなり低いです。特にコミュニティを巻き込んで盛り上げるという意味でDevRelとしてはかなりの弱みになります。また、宣伝力も低く、広報活動という意味ではこちらも弱みです。

何より弱みを自覚しているので、できないことに注力しても仕方ないと考えているあたりはダメだと自覚はしています。自覚してるけど改善する気はそこまでないですけど。

というので、たぶんあと一人、僕の弱みが強い人がいると上手く回っていくのだろうなと思ったり。

ブロックチェーン業界ってどう?

まず、はじめに思ったのがまだこれからの業界だなということです。

実際に開発をしていてエコシステムが足りないと思うことは多々あり、これから技術障壁を乗り越えて充実いていくのだろうなという熱量を感じます。

そういう意味ではとてもおもしろい業界だと思います。

ただ、身近な開発者に勧めるかというと絶妙だなとは思っています。

というのも、一時と比べるとだいぶマシにはなりましたが、この界隈は攻撃性が高いと感じることも多いです。Xなどで定期的に開発者いないかなと探していますが、見ていて疲れることも多いです。

とくに対立軸も多く、外部に敵を作って結束するみたいなコミュニケーションをよくみかけます。例えばチェーン間で優位性を見せるために他チェーンを下げたり、Web3 vs Web2で既存のWebを下げてだからWeb3を使わないとみたいなのもよく見かけます。

他にもいろいろと思うところはありますが、このあたりはブロックチェーン業界としてはかなりマイナスだと思っています。たぶん、ちょっと関わりたくないと思う開発者も多いのではないでしょうか。僕ですらそう思っていますし。

というので、まず自分からはじめようと外部発信するときは下記の点に気を付けていたりします。僕はブロックチェーン業界以外の人たちにも発信したいので。

  • 煽らない

  • 事実を淡々と伝える

  • 製品以外のことを下げることを言わない

    • 比較とかをするにしてもちゃんと良い点も伝えるとか

  • 使う用語を気をつける

    • 例えばWeb3/Web2を言いたければオンチェーン/オフチェーンみたいに言い換えること多い

まぁ、こういうことをやろうとしてるから宣伝力が身につかないとかもあるのでしょうけどね。ただ、それやるぐらいならDevRelやめると思います。やめても生きていけますし。

おわりに

というので、DevRelはじめました。やりました。これから伸びていく業界、製品の礎になって後ろに続く人たちを助けになれるようにやっていきたいと思いました。

本当はDevRelアドベントカレンダーに寄稿したかったのですが、ちょうどイベント開催と時期が重なってしまい間に合いませんでした。来年は1年やった話を書きたいです。