先程、永田さんの作品「メランコリック・ダイバーの浮上」を拝読した。
主人公は鬱を患った青年。彼が治療の為に脳に埋め込んだ機械で気持ちが軽くなり、活動的になるのだが、さらにその先で…という話なのだが、精神的病、医学の発展、倫理的問題、人により様々な感情を揺さぶられる作品ではないかと思う。
ぜひ読んでみてほしい。
私は鬱病になったことがある。20代の時の話だ。だから主人公の楽になりたい、治療を受けた明るい自分が本当の自分なんじゃないか、そこからもとに戻る恐怖みたいな感覚はすごく「分かる」
鬱の真っ只中はまさに暗闇のトンネルだった。仕事も辞め、これで人生終わったと思った。絶望しかなかった。
ある日突然良くなるなんてことはなく、何年かかけて少しずつ良くなり、ふっとある日「生きてて良かった」と思えた。
そして今は鬱を経験したことは無駄ではなかったと思っている。もう二度と経験したくないことではあるが、だからこそしんどいものを抱えた人の辛さに寄り添える。
私は弱い。でも、弱いことは悪いことじゃないと思えるようになった。弱いからこそ見える世界がある。
メランコリックの主人公も、きっとそうなんだと思う。
自分が弱いことを嫌だなって嘆く方に伝えたい。
弱いことも悪いことじゃないよって。