風俗嬢のクソ客への文句、彼氏や旦那の悪口、男をバカにした発言、Xはミサンドリーの宝庫だ。(もちろんミソジニーの宝庫でもある)
人間を男女のふたつに分けるのははしたないと思うものの、今日は便宜上男と女に分けたい。
私はどちらかといえば男性を見下して差別している人間だと思う。根底には祖父や父への畏怖があるのだがその話はおいておいて、歴代の彼氏や元旦那にはリスペクトが足りなかったし、可愛がってくれるおじさんや好意を持ってくれる男性に心から惹かれたことがない。
だから、先述の男性嫌悪のポストなどは笑って頷いているタイプだった。わかる男ってなんだかうっすらキモいよね、気持ちをわかってくれなくて頼りないよね、融通が聞かないし自分勝手だよね。
しかし最近、息子が思春期に入ってそういったヘイトへの見方が変わった。
これから彼が恋愛をしていくにあたって(もちろんしなくてもいいのだが)間違うことはたくさんあるだろう。誰かの反感を買うかもしれないし、好意を手玉にとられて傷つくかもしれない。傷つけるかもしれない。けれどどうか、息子にこんな言葉の数々を浴びせないで欲しい。
クズ、ゴミ、馬鹿、死ね、キモい、うざい、書いていて悲しくなってくる。私も強い言葉を使うことはあるし、過去にたくさん使ってきた。その業は巡り巡って息子に届くかもしれない。そんなの、ただただ悲しい。
小さな時から物分りのいい子で、たくさん我慢をさせた。私の勝手で苦しい思いも寂しい思いもさせたし、でも大切に育ててきた一人息子だ。息子が何か間違えた時に、先述のような言葉を投げられたらつらい。やめてほしい。優しくしてやってほしい。
今までどんなにキモかったおじさんも、きっと誰かがこんなふうに育てた子どもだ。そう思えていたら、もっと違った言葉の選択肢があったかもしれない。
だから私は強い言葉を捨てたい。過去の癖でつい口から出てしまうものの、捨てたいと心から思っている。自分に向けているときはまだいい。全くの他人や大きい主語に向けてこそ、強い言葉を捨てたい。
そうやって徳を積み、将来の息子の恋人が息子の悪口をXに書き込まないように、せいぜい可愛い愚痴程度ですむように、願っている。