【山田五郎 オトナの教養講座】マグリットの絵 前編と後編より

kisato
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公開:2024/6/26

エッシャーやマグリットの絵を無断で使用してた当時の少年誌、著作権法としてはアウトだったけどこの絵を見ていた山田さんを含む子どもたちにいい意味で大きい影響を与えたようだ。

大阪万博の「せんい館」30代だった横尾忠則氏プロデュースの建物も面白いけどマグリットの男たちの人形の「マグリットの男」というタイトルの四谷シモン氏の作品がこれまた面白い。大阪万博といえば岡本太郎の太陽の塔や人間洗濯機とかテレビ電話とかそんなシーンしか知らなかった。「せんい館」ほんとに面白い。

ローリング・ストーンズがエッシャー、ビートルズがマグリットの影響を受け、ジョブズがアップル社を立ち上げる。

「横尾は「このパビリオンを芝居の書割(かきわ)りか張りぼてのようなものにしたかった」と自伝につづり、権力側・体制側にくみするような万博の仕事への後ろめたさを示している。夜景に赤いせんい館が浮かぶポスターは不吉な印象を与え、上空に世界中の旅客機が飛ぶデザインを、三島由紀夫は「空襲の夜を想(おも)い出す」と評価したという。」

via: "70年万博とは何だったのか アートで振り返る夏:朝日新聞デジタル" https://www.asahi.com/sp/articles/ASN7F556CN79PTFC00P.html

教えてもらったマグリットの絵が使われている本の表紙。『ジョージ・オーウェル 1984』kindleで読んだけど気がつかなかった。好きな絵でおそらく一度見たら忘れられないインパクトがあるのにその後何かで見ても意識しなくなっていたかもしれない。

【マグリット「人の子」】顔を隠す青リンゴの謎!実は●●性の象徴?ある有名画家との意外な共通点も!【不気味で不思議なシュルレアリスム絵画を五郎さんが分かりやすく解説🍏有料著作権シリーズ※期間限定公開】

https://www.youtube.com/watch?v=NUCJFa7px0Y

[ 後編 ]マグリットの生涯について

やんちゃな子ども時代だという写真を見たらなるほどとわかるほどの標榜。投資家の父親が山高帽を被っていた。でも山田さんはここで言わなかったけど(当然知ってらっしゃるだろう)母親は帽子を作っていたよね。まさかの母親の自殺。

戦争を挟んでマグリットも苦労されたようだけど一生を仲睦まじくすごすパートナーに出会ったというのはほっとする。途中の試行錯誤する絵はそれはそれで面白いし結局観る者に印象を残す。50代であのマグリット独特のりんごの絵で爆発的に売れて亡くなるまで描いていたのだそう。

キリコの作品「愛の歌」を観て泣いて感激し感化を受けたという。

*キリコについて書いたページ→"山田五郎 大人の教養講座「デ・キリコ展」の楽しみ方から認識のゲシュタルト崩壊|kisato"

でもその絵はなんともよくわからない絵。

“「愛の歌」で描かれているのは古代ギリシア彫像の頭、ゴム手袋、緑のボール、暗闇に包まれた列車とそれと対照的な青空です。不安や憂鬱の空気が漂うキリコの人型造形、空虚感のある古代建築物、謎めいた通路、そして不気味に長い道路は、第一次世界大戦によって引き裂かれた世界の不条理性をよびおこします。“

“キリコはこのような、互いに何の関連もないオブジェを並列させるスタイルを形而上絵画と呼んだ。このキリコの作風はシュルレアリスムの先駆的作品の1つであり、のちにブルトンやダリを多くのシュルレアリストに多大な影響を与えています。“

互いに関連のない並列スタイルが形而上絵画。うんそういう捉え方の方がわかりやすい。そうかそうなんだ。いつも見ている風景が初めて見たような(キリコの手記に書かれた表現)ゲシュタルト崩壊という表現はわかりにくい。

“特にルネ・マグリットに影響を与えており、マグリットは1920年代初頭に初めてこの作品を見たとき、涙が溢れて止まらなかったといいいます。のちにマグリットはこの互いになんら関連のないオブジェの並列、デペイズマン手法を利用しますが、原点はキリコにありました。“

via:"【作品解説】ジョルジョ・デ・キリコ「愛の歌」" https://www.artpedia.asia/love-song/

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