2人の男がすぐ近くにいる。ひとりは首に大怪我をしてベッドに仰向けになっている。もうひとりは何故か激昂しており制御できなくなったのか突然ベッドに横たわっているその人に素早く飛びかかって首に手を掛け傷をこじ開け右手を突っ込む。狂ってる。
私は「あっ!やめて!」と声を挙げたつもりなのに声が出ない。彼らからはテレビの画面の向こう側にいるような存在だったと気づいた途端目が覚めた。
起きて少し茫然として横になったまま夢を反芻してなんとなく思い当たる気がしてきた。これは私の心理状態が反映されたものではないか。
怒り狂った男と何もできずただ殺されそうな男。背丈も髪型も体型も…2人とも見た目が同じで状態は真逆。
私は怒っていることを自覚せずそれをぐっと飲みこんでいたんだなと気づいた。自分ではどうすることもできない出来事に腹を立て、どうすることもできないから飲みこむことしかできない。そんなことが知らず知らずのうちに積み重なっていたのではないか。
諦めた気持ちが殺される男性として現れた。あの2人はそれぞれが私。
そう捉えてみたら気持ちが落ちついた(とはいえ凶暴過ぎる!)。
見て見ないフリをしてる現実を夢の形で突きつけられた。だからといって対策方法も無いんだけど自分の中の怒りに気づけたというだけでも抑圧された感情を解放するカタルシスになったということにしたい。