朝起きて窓の外を見ると屋根にうっすら雪が積もってた。道路は積もってなくて凍ってるのだろう。車が1台音を立てないように吸い込まれるように走っていった。まるで音もどこかに吸い込まれたよう。
すっぽりと雪が降り積もったら街全開がかまくらの中みたいに音がこもって護られてるように感じられたのを思い出す。
そういえば音が吸い込まれて戻ってくる話があった。トーベ・ヤンソンの原作とは違う話かもしれない昭和版『ムーミン』のアニメ。
壊れた蓄音機に音が吸い込まれて村のみんなが出したはずの音が吸い込まれてしまう。古時計だったかな。直ったとたんにくしゃみや車がぶつかった音や楽器の練習してた曲など一斉に音を出した場所に帰っていった。
いまだにさほど高くないとんがった孤高のような形の山を見るとおさびし山みたいと思う。そこにモランの姿を思い浮かべる。
雪のもたらす静けさはざわざわした気持ちを落ちつかせてくれた。
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