ヒューマニエンス 40億年のたくらみ 「“死の迎え方” ヒトの穏やかな死とは」 初回放送日: 2023年11月20日
高齢の人を見てると同じ90歳くらいでも人によってとても元気な人とそうでない人の差があって驚いてしまう。特に認知症の人認知症にはならない人の差、老化の進み方が違うのが不思議でならない。どうしてこんなに違ってしまうのか。生活環境の違いや心労などいろいろあるだろうけど、そういう話では無くこの番組のテーマは身体の老衰や死の迎え方について
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ギネスの世界最高齢記録は122歳。
日本人の死因の1、2位が癌や心疾患で3位が老衰なのだそう。
人は大体80歳以上になってくるとBMI(体重)が減っていくそう(その減り方は人それぞれ)。筋肉脂肪だけでなく臓器の重量も減っていく。
なので十分な栄養や水分を摂っていても身体が取り込めなくなるので食事量が変わらないのに体重がどんどん減っていくのが寿命を迎えたサインであると。(肝臓脾臓は他の臓器より60代からの減り方が大きく心臓、脳の減り方は緩やか)。
高齢者施設で死亡した人の推移

亡くなる食事摂取量と水分摂取量は数年前から変わらず数ヶ月前から数値が急激に減少する。BMIだけは5年前から急激に減少していた。
終末期の高齢者の身体は栄養を取り込めなくなっている。
このBMI値が下がり始めてから死を迎えるまでの期間は、研究結果によると約2〜5年だそう。

老衰のサインが始まっているのに無理に点滴や胃瘻などで摂取すると患者は腹水や浮腫など苦しむことになる。
高齢でBMIが減り始めたら(12を切ると生命維持ができなくなる)引き算のケアが大切。
老化細胞とは
リボソームRNA遺伝子が作り出した細胞の維持に欠かせないタンパク質を合成するリボソームは構造上紫外線などで変異しやすく変異したリボソームにより正常なタンパク質を合成できなくなる。
正常なタンパク質を合成できなくなり幹細胞の老化が早まり分裂が滞り組織の細胞の数が減少して全身の臓器が萎縮する。至る所に老化細胞が居座り炎症性サイトカインを撒き散らしさらに周囲の細胞を老化させ臓器の機能を低下させる。
一言で言うと細胞の入れ替わり(ターンオーバー)が遅くなっていく。

人間がなぜ長生きするのかというと、いいシニア、高齢者がいることは組織にとって知識技術の継承に有利だったから。
死へのソフトランディングを考える事が大切になっている。
本人や家族医療従事者が協力してケアの方針を決めていくことが穏やかな死へ着地していく。
最期の時、低酸素状態になると浅い呼吸(下顎呼吸)になり見た目は苦しそうに見えるが、“エンドルフィン”という脳内麻薬が分泌されるので多幸感に包まれ当人は穏やかな気持ちでいると考えられるそう。

“下顎呼吸”
最期の瞬間は息を吸って終わるため「息を引き取る」と言われる。
この世に生まれる時は息を吸いこの世から去る時は息を引き取る。
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癌についてはそれを享受することでポジティブな変化が現れることを「PTG心的外傷後成長」という。(がん体験後の新しい人生観 5つの変化)
・人生に対する感謝・新たな視点・他者との関係・人間としての強さ・精神性的変容
乳がんになり手術もせず抗癌剤も使わず緩和ケアをしている方のブログを読んでいたことがある。テレビにも取り上げられるようになった吉野実香さん。
症状が治ってから(仕事も再開されて元気になられた)見に行かなくなり最近思い出して見にいったら今年になって再発というか癌の活動が復活しており医者からは覚悟するようにと言われてて驚いた。
正直このような状態だと数ヶ月なのだろうけれど今や冬に突入してもまだお仕事に出られてて本人も不思議がられてる。痛みは出てきてモルヒネも服用し悪化してるようなのに。
"mikaオフィシャルブログ「猫と癌と諸々と」Powered by Ameba" https://ameblo.jp/3bikinoneko-y/
彼女のブログを読んでいるとまさにPTG心的外傷後成長のモデルにピッタリだと思う。何年も死が隣り合わせだったからなのか気持ちが定まりある意味悟られたのか。凛とした佇まいが伝わってくる。
癌になると死に対して心の準備ができる意味ではいい病だとも言われている。
私はこのような心の準備ができるだろうか。