2024.7.16

温水ふみ
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きのう、いちにちで短歌を50首つくって賞に応募するという実績を解除した。前半はわりと間に合わないかもとあきらめながらつくっていて、後半になるにつれ、もしかして間に合うのでは? と思いはじめたのがなんだかおもしろかった。なんだかんだでわたしは楽観的なのかもしれない。すごく苦しくてすごく楽しかった。

これから賞に応募する回数を重ねるごとに、きっと『選ばれたい』『上手につくりたい』というきもちがおおきくなって、わたしはこの楽しかったというきらきらのきもちを忘れてゆくのだろう。忘れないようにしたい、選ばれなくて苦しくてくやしいばかりのきもちでいつか短歌をつくるようになったとき、立ち止まってこの場所に帰ってきたい。ガールクラッシュ8巻のスアさんみたいに。テニスの王子様で天衣無縫の極みにたどりついた王子様たちみたいに。

賞に応募する短歌にとりかかるまえ、もう短歌を続けられないかもしれないとべそべそしていたわたしに声をかけてくださったり、見守ってくださったひとたち、ほんとうにほんとうにありがとう。

ところでわたしはあまり連作をつくったことがなく、つくっても3首や5首のとてもちいさなつながりのうただったので、50首というのはいま思っても途方もない。ひと晩、というか9時間経って、よくやったものだと自分に感心している。以前、同人誌の原稿を締切の当日にはじめて、その日に入稿するということもやったけれど、そのときだって10首だった。それでもひいひいいっていたのに、そのわたしが50首をいちにちで! これはわりとすごい進歩かもしれない。そりゃあ結果がついてきたらそんなにうれしいことはないけれど、結果はどうあれ50首の連作を完成させたというのはたしかにわたしの経験だ。自分ではじめた世界を自分の手で終わらせてはじめて得られる経験値は、1首ずつつくっていたときのそれとはちょっと種類がちがう気がする。

でも、つぎになにかの賞に応募するときは、すくなくとも締切の1週間まえには完成させて応募をしたい。どんな本でも締切間際にかけこみで入稿するわたしにはむずかしいかもしれないけれど、いつかその実績を解除したトロフィーもほしいな。


あと、ぜんぜん関係ないけれど、薬局でお試しに買ったライオンの電動歯ブラシがよかったので、あまぞんのプライムセールでオーラルBの電動歯ブラシを買いました。金曜日に届くのでたのしみ。いま使っているやつは母か弟に譲る予定。

@kissa_ja_mekko
なにかしらを書いています。lit.link/moikissa