うちにふたりいるねこたちのうち、おおきなほうのねこはかならず、午前4時から5時のあいだににんげんを起こして朝ごはんを催促します。起こしは、にんげんが枕元に置いている本で爪を研ぐまねをするというもので、耳もとでバリバリと紙のめくれる音がするとにんげんがすぐ起きることに気づいてからというもの、だいたいこの方法で起こしてもらっています。でも、ときどきわたしが起きないことがあって、そういうとき、ねこはべつの起こしかたを試します。このあいだはにんげんの背中にのって体重をかけつづけてみたり、きょうは耳もとでかわいく「にゃっ、にゃっ」とみじかく鳴いてみたり。
うちのねこたちはふたりとも、あまりというかめったに鳴きません。ちいさいほうのねこは、高いところに登るときに気合いを入れるため「にゃあん!」と鳴いたりはしますが、おおきなほうのねこはほぼ鳴かないので、声が聞こえるとなにごとかと思ってにんげんは飛んでゆきます。そんなわけで今朝も飛び起きたわけですが、とうの本猫はいつもどおりで、なんだわたしを起こすために鳴いたのか……と安心しました。いろんな起こしかたを持っているかしこいねこです。
そのあとねこたちは朝ごはん(メインはメディファスアドバンスで、ロイカナや懐石のささみ味をふりかけがわりにまぜています。あんまり価格の安いフードだとふたりとも吐いてしまうので、いろいろ試して落ちついた組み合わせ)を食べ、にんげんは寝直し、出勤に間に合うようしぶしぶ起きて、行きの電車のなかでこの日記を書いています。きょうもいちにち、ほどほどに気を抜いて働きます。