木曜日の、もうすぐ夕方になる午後です。わたしの上司が外出をしてしまったので、あたらしい仕事がきょうはこなくなり、やることがないわけではないのですが、なんとなくのんびりしてしまっています。あたたかいカフェオレをいれて、ミルク味の飴をころころ舐めているくらい。いっとき、飴をくちに入れたらすぐにかみ砕いてしまうときがあったのですが、あれはいったいなんでだったのかなといまでもときどき思います。いまは、噛むタイミングは気分によりけりで、さいごまで舌のうえにじんわりのせていることもあれば、ちょっと噛んでみようかなとなるときもありますが、くちにいれてすぐ噛み砕かなきゃとあせることはありません。あっ、いまちょっとだけ、なんであのころのわたしが飴を噛み砕いていたのか、わかったかもしれない気がしました。でも、もうわたしがあのころにもどることはないので、これ以上を思いだすのはやめておきます。思いだしかけたとしても、わざわざすべて思いだして傷口を抉って塩をすり込む必要はないのだと、そんなにまっしょうめんから生真面目に対峙しなくてよいのだと、いまのわたしはそう思います。ミルク味の飴がまったりとあまい、木曜日の、もうすぐ夕方になる午後です。あと1時間半で定時なので、きょうは残業をせずに帰ってみんなのいる部屋で過ごします。
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なにかしらを書いています。lit.link/moikissa