「新人が1on1に来ない話」を受けて自身の1on1を振り返ってみる

kissy24
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こんにちは、最近興味深い記事がありました。

「新人が1on1に来ない」

的な記事があったのですが消えてしまっており、タイトル含めうろ覚えですが内容もそういう話でした。

私もマネジメントロールで1年以上、10名以上の方と1on1をしていますが、1on1に来なかった方はいなかったので面白いケースだなと興味深く記事を読み流していたのですが、消えてしまって残念です。

今回、つらつら書きたいのは下記のような感じです。

  1. 「1on1来ない」話に対する僕のお気持ち

  2. 僕が実施している1on1の振り返り

主題は自身の振り返りです。「人のふり見て我がふり直せ」っていいますしね。

「1on1来ない」話に対する僕の見解

これは、もちろん色々と原因はあると思います(組織の風土、1on1する人の性格、される人の性格、業務、相性 etc...)。本質的には、執筆者本人は悪くないのかもしれないなと思っています。ただ、1on1をする以上開催者が責任を持って実施するべきだと思います。

例えば、1on1をキャンセルありで予定を送る場合は、ドタキャンリスクももちろんあるわけですよ。そういうリスクはそもそも相互理解できていないと余計に高まるわけで、例の件ではそういうやり方をすると来なくなるのは自明なわけですね。

じゃあ、相互理解高めるにはどうするかというと心理的安全性を確保するために1on1主催者が日常的にコミュニケーションをとっていく必要があるわけです。心理的安全性を確保するには、やはり自身が色々とさらけ出さないといけないわけで、これを1on1やる前にしないとダメです。

これは対面でもリモートでもいいわけで、ちょっと2~3分媒体問わず凸って自分のたわいもないお話をすればいいわけです。向こうがうざがってもやるべきです。だってチームで仕事するんだから嫌でもコミュニケーションはするんだから。人間コミュニケーションしないと、すぐすれ違いになります(自戒)。

こういうのの積み重ねで、1on1嫌いな人もとりあえず時間はとってくれます。本当に1on1自体を嫌がってるならもっと時間短くして(例えば10分とか)やるとか、月1等頻度を下げるとかやりようはいくらでもあります。(半分営業マンみたいなものです)

あと、お気持ちではなく単純に1on1する意味がないと思われているなら、メンバーに「なぜ」を聞いてみるべきでしょう。聞くことで、問題点を拾い集めることとコミュニケーションを取ることの2点が1度にできます。

そして、開催側は責任を持ってこういった行動を取らなければならないです。例の記事では、「私は1年早く入ってきた同僚なんですけど」といった本人コメントがあったのですが、あれだけは言っちゃだめだと思いました。「難しい事言われても僕は知らん」というスタンスは危険だと思います。それはあなたが会社、あるいはチームから任されたロールであり、プログラマと同様に成果責任があります。それを放棄したかのような発言をしてしまうのは良くないなと思いました。

僕も現状PdM/EM相当のロールをこなしていますが、役職やグレードでいうと周りのメンバーと大差ありません。もちろん、年収上げろ、役職上げろ、メンバーちゃんとしろと思ってますし、普通に暴れてますが責任放棄(対話放棄)したことは現状ないです。

しんどい状況なんだろうなとマネージャーやっていると共感する面もありますが、そこは堪えたいよねと思いました。記事を拝見した限りでは、万策尽きてはない気がしました。まだできることがあるなら最後まで責任持って走ろうよと言いたくなりました…。それでも無理なら、上長にエスカレーションするなり、評価に反映してもらうなり、異動してもらうなり判断を別に委ねたらいいと思います。

僕が実施している1on1の振り返り

さて、僕のお気持ちを書いたところで本題ですが、私が現職で実施している(取り持ちも含む)1on1を振り返ってみたいと思います。現在は、下記を実施しています。

  1. 僕とメンバーで1on1

  2. 僕と上司とメンバーで1on2

それぞれ説明します。

僕とメンバーで1on1

この前Qiitaで紹介したことを実施しています。

  • 月1、1人当たり30分で開催

  • チーム活動を円滑に進めていくことが目的

  • 定量観測するために、アンケートとSPACEをマッピングして指標管理

  • アンケート結果についてすり合わせ → チームについて思うことを話す → 身辺状況などフリーに話す

ざっくり、こんな感じの1on1です。前任者も同じような1on1をしており2年程度この形式です(アンケートを含め話すようになったのは、僕が着任してからここ1年)。

所感としては、結構問題点が拾えます。拾え過ぎて対処が厳しいときもありますが、GKPTなどに混ぜて棚卸しをしています。チームの改善に特化した1on1になっており、アジャイルなメンバーが多いと楽しんでもらえるかなと思う一方で、淡々と業務をこなしたい人にとっては面白くないイベントかなと思っています(そういう人とはフリートークを多めにしたり、愚痴を多めに聞いています)。

また、この1on1には問題が大きく2点あるのかなと最近思ってます。(もっとあるかも)

  1. メンバーが自由に話しにくい(形式的過ぎる)

  2. チーム外の情報を取得できない(一応僕がしますが、もっと上の人から本音を聞きたい)

総括するとチーム特化しすぎて、チーム以外の生の声(個人や組織)があまり聞けていないような気がします。特に2は組織再編もあり、かなり不協和音を生んでしまったなと反省しています。

これを踏まえて次の1on2を最近実施するようにしました。

僕と上司とメンバーで1on2

  • 月1、1人当たり15分で開催

  • 上層部がどう思ってるか、何を考えているのかを知ることが目的

  • 15分フリートークで僕は潤滑剤(無言になったら話題振ります)

やたら時間が短いのは上司がMTG好きじゃないのと、全員分の予定がなかなか抑えられないからです…。意義については共有済みなので上司が参加しないといったことは起きていません。

これを始めてから組織に対する不満が、改善されてきていることをSPACE指標から見て取れるようになりました。15分でも接点を設けることで、改善できることはあるんだなと思いました。

少し恐れていることはマンネリ化ですが、現状月1開催で3ヶ月程度の取り組みなのでしばらくは問題ないかなと思っています。逆にもっと時間を設けてみるのも面白いかなと思ったりもしていますが、上司から苦情が来そうなので程良い感じかなと思っています。

今後考えている1on1施策

残っているのは、「メンバーが自由に話しにくい」といった点です。最近だと個人的な不満や悩みを持っているメンバーのサポートが行き届いていないように思える事象がいくつか起きており、課題に感じていました。

少々悩ましいのは、僕が徐々に組織の立ち位置含め、PdMロールとして色が強くなっており、EMとして個人の成長寄与のために帽子を被り替えるのがしんどくなってきている点です。そこで、一つ試験的に実施し始めているのは下記のような1on1です。

  • マネジメントロール志望のメンバーに1on1を実施してもらい、開示可能な範囲で僕に共有する施策

  • 月1(要検討)、1人当たり30分で開催

  • すべてフリートークで内容はお任せ

この1on1は将来的にEMを志望するメンバーの育成サポートを兼ねたものになっており、僕は問題解決のサポートに徹します。やってくれる人いるかなと思ってましたが、ありがたいことに挙手して取り組んでくれる方がいたので、先月1回目を開催してみました。

結果は、なかなかメンバーからは好評で1件こじれていた問題も解決してくれていました。僕はアクションする内容だけ報告を受け、軽くフィードバックだけして後はお任せできたので、こういう形式も面白いかなと思いました。

まだ、改善の余地があったり、元々実施している1on1自体も再度見直しすべきだと感じているため色々と模索中です(1on1系の書籍を読み漁ってみようかな…)。メンバーにももっと満足してもらえるような1on1を目指したいです。

おわりに

あの記事を書いた人も、同じようなポジションだと思うので諦めないで頑張ってほしいなと思いました。僕も再度1on1等施策を振り返るきっかけになりました。

@kissy24
Engineering Manager(DX Product Team), Software Developer(DX, ERP, NLP), Programming Language(Python, Go, Java), ここでは気ままに記事書きます