0217_愛の話

kkkyyy9610
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ミルクタイプの入浴剤が洗面所に置いてある日は 【今日は そういう気分の日 です】 という夫からの合図。恥ずかしがり屋な君が 一生懸命考えてくれたこの世で一番セクシーで可愛いお誘いに く ーちゃんは頬を緩ませながら、新しく湯を湧かせた湯船に入浴剤を沈ませ、夫と同じ香りを纏う。ああ、早く君に触れたい。

お揃いの香りを纏って迎えに行くと、君はどんな顔をするのだろうか。お待たせ、と声をかけた時、どんな顔で振り向くのだろうか。手を取って「寝室に誘ってもいいか」と問いかけたら、きっと真っ赤な顔をして、何度か視線をさ迷わせて、はわ、と唇を震わせて小さく呟いてから、ゆっくり手を取ってくれる。ときくんの そういう 真っ直ぐで不器用な、触れたら破裂しちゃいそうな大きな愛が くーちゃんは嬉しくて愛しくて たまらない。白く染まったお湯を両手で救って顔にかける。

早く 君に触れたい。

同じ香りを纏って、同じ温もりに包まれて、眠りにつく。まだ外は暗く、しんと静まる夜明けに目が覚めて、正面で眠る貴方の顔をみた。貴方の顔は夜空に浮かぶ月のように眩しくて、朝日のようにあたたかい 貴方が教えてくれる愛は そのどちらにも似ていて、ときくんは泣きそうになりながら幸せだと呟いた。

恋の甘さを 愛のふかさを 指先の熱さを 欲の淫らさを 全部、全部貴方が教えてくれた これは 最果てなど存在しない 永遠の愛の話

@kkkyyy9610
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