子供がいると大変なことも多いが、良いこともある。こまごま挙げるときりがないが、端的に言えば「同じような日常を繰り返していると、いつの間にか子が成長している」という点にある。
大人にとって、「同じような毎日の繰り返し」というのは基本的に避けがたい事態である。そのうえその「同じような毎日」を微分すれば、それはすなわち老化に過ぎない。昨日より今日は確実に老いている。
しかし子がいると、同じような毎日を過ごしていても、子はにょきにょきと成長する。僕のようなおっさんの1日は死への確実な接近だが、3歳の子供の1日は大人への確かな成長の一歩である。つまり子がいることで、老いでしかない1日を、子の成長という意味のある1日にロンダリングできるのだ。
もちろんこれはどちらかというと詭弁の類いであり、捉え方の一種に過ぎないのだが、それを言い出すと世の中だいたいのことは捉え方の話になってしまう。同じ捉え方の話ならば、少しは前向きな方が良いだろう。その程度の認識で子育てをしている。これでいいのかわからないが、子が元気に育つならばいいかなと今は思っている。