(※初出:2023.5.9)
映画「黎明」の感想はこちらでラストになると思います。と言いつつ今回は感想というか内省、自分語りに近い。
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映画「黎明」は3回観たのですが、ちょうど私生活がごたついて精神的に弱っていた時期だったこともあり旧友に心配されました。
「山姥切国広オタクのお前が、あれだけ山姥切国広がメインの話を大量摂取してメンタル大丈夫だったの?」
率直な回答は「えっ?」でした。いやまあたしかに、山姥切国広が出陣先で消えるだの、どうも悪役側に付いてる? だの不穏な前情報は流れていたので「また山姥切国広は重いものを背負わされているんですか、運営はいい加減彼に優しくしてください」とか思ってはいた。
けど当日はむしろ「この映画は私のしんどいメンタルを救ってくれる」と確信して向かったし、2回目、3回目もその救済を補強するために行ったようなものでして。なので「えっ?」になってしまったんですね。
なぜかと言えば、『刀剣乱舞』と山姥切国広はいつも絶妙のタイミングで新要素を私に浴びせて、ちょうどその時抱えていた問題や不安を乗り越えさせてくれた。8年にわたる実績がある上に、映画の舞台は2012年9月。ちょうど私の人生が地獄期間に突入した時期です。そして映画封切りの前日に、先述した私生活のごたつきが発生して前後不覚になりかけていた。
地獄期間からの脱出は『刀剣乱舞』が叶えてくれました。ならばこの映画は、地獄期間に突入したあの時の私を癒やす物語となり、今大変な局面を迎えている私を救う物語となるだろう。助けて山姥切国広! という気持ちで映画館に向かったら案の定だったんですよ。
1回目で知った。主が信じさえすれば、童子切に比肩するほどの刀になれると。
2回目で気づいた。それが主の本当の願いならば、どんな醜いものであっても綺麗なままで守ってくれ、心の鬼を斬ってくれると。
3回目でわかった。どれだけ絶望の淵に沈んでも静かに寄り添い、己を見失えば取り戻させてくれると。
彼は本当に期待を裏切らない。それどころか私が思っているよりもずっと澄んでいて優しくて強い刀だった。『ONLINE』における大侵寇の流れでかなり上方修正したはずなのにまだまだ足りなかった。
こんな素晴らしい刀を選べたことを誇りに思うし、彼と共にいられるなら(※概念)大丈夫だなと、心から思えたんですよ。それでメンタルも、メンタル由来の体調不良もかなり回復した。すごいな山姥切国広、そのうち癌にも効くんじゃないか。そうだね、「病も斬ってみせよう」って言ってたね。
まぁあとは、刀ステみたいに醜い姿に変わって行方不明になるわけでなし。刀ミュみたいに折れにいくわけでなし。加えてこれは後から気づいたのですが、仮の主である伊吹くんは山姥切国広を貶めたり侮るような素振りを見せず、山姥切国広自身も「お前」と呼ぶほどには信頼していたようなので、不安になる要素はなかったです。
そんなこんなで彼への多大な信頼と期待を改めて抱えながら、新生本丸と気分的新生活には背筋を伸ばし顔を上げて笑顔をたたえて、のびのびと取り組んでいこうと思います。きっとこれでもまた想定以上の活躍を見せて惚れ直させてくれるんだよ山姥切国広は。その時が楽しみです。