今回の感想記事は「お前の本気を見せてみろ」と言われた(※言われていない)ことによりいつもよりちょっと頑張って書きましたが、「お前がスイクラ古橋の話をしていない時点で本気ではない」と言われたら返す言葉もないので、おとなしく話します。
周知の通り2015年7月に『スイクラ』をやってから何を見ても「つまり古橋さんがですね」と嗚咽する病にかかっているのですが、古橋さんのモチーフのひとつに大物主命があることは自明。かの神は多くの名を持ちますがそれは元々そうした名の神が別々にいたのを一柱の神の話として統合されたからだという説がありまして、ならば同じ国(メーカー)のあらゆる神(キャラ)に彼を見出すのは有効。
という仮説は置いておくとしても1作目からブレずにゲーム作ってるTAKUYOなので、すべての作品とキャラから語られぬ彼の諸々を類推することはできると思うんですよ。
そんなわけで『怪盗アプリコット』でも息をするように古橋さんのことを考えてるんですが、まずこのゲームをやってやっと『スイクラ』が「選んだ贄に“ハート”を捧げさせられるかなゲーム」だったことに気づきました。遅い。
そして初回で狙った屋敷さんがあまりに古橋案件で私は椅子から転げ落ちる思いだった。しかもTAKUYO乙女ゲー第1作目。しかも初出は2002年。
忘れもしない2003年9月11日、私は某ゲームで真っ赤な呪いに蝕まれて10年苦しみ『月影の鎖』から『スイクラ』へと至って救われるわけですが、それより前にTAKUYOからこんなド古橋案件でかつ当時すでに好きだったみきしん声のキャラがお出しされてたとか、呪いに蝕まれる以前に救済が約されていたようなもので私は天を仰いだ。怖。主に私の重い信仰が。
屋敷さんは「責任感が強くて一度懐に入れた相手は絶対に最後まで守り通す男」と評されますが古橋さんぽいなと思ったし、評したのは弟分の恭介くんで、彼は最初からアプリコットの相手として屋敷さんを推しまくってくるので「つまり道化師は兄最推しだった……?」と頭をバグらせかけました。劇の発動とは。
大樹くんの繊細さ優しさとか、一之瀬さんの鋭い観察力と頼もしさとか、周防くんの人の善性を信じて疑わない純粋さとかに古橋さんを思ったし、元気くんの「大人にならざるを得なかった彼が少しずつ等身大の自分を取り戻し明るくなって恋を覚えていく様」とか満さんの「すべてがどうでも良かったけど君に受け入れられるのは嬉しい」とか瑞希くんの塩対応「何か?」からの「あなたに選ばれたからこれまでの自分を肯定できる」とかに喜んだのはもちろん古橋さんが念頭にありましたよ。
綾瀬くんが言ってた「君の側で君と同じ目線で君と同じ物事を見て君と同じことを考えていたい」は古橋の願いっぽいなと思ったけどむしろこれ作中で柘榴ちゃんがやってたし、草くんが何をしていても大事な人がやってきたらすべてを止めて最優先で対応するところも古橋さんを思ったんですよね……あの……誕生日のリアルお祝い……『ひめひびAWB』の紙袋中人くんはAGFが終わって落ち着いてからゆっくり堪能してお礼を言ってるっぽいのに対して、古橋は直前で一番慌ただしいだろう中でも一両日中にはお礼してくるので……深愛グッド後に柘榴ちゃんが城で住むようになって、用があるけど悪いかなと遠巻きに部屋を覗いてたら速攻で気づいてやって来そうだなって……
というかTAKUYO構文として大人は包容力か拗らせ面倒臭さ、子供は未熟さ危うさとそれ故の可能性があると思ってて『アプリコット』は特に顕著だったんですけど、こうして見ると大人と子供の要素両方持ってる古橋さんずるいな?! さらに光属性と闇属性の良さも併せ持っていて素敵すぎでは?! 気が狂います 2015年から狂いっぱなしでした
構文と言えば「大人は立ち向かい解決する、子供は逃げて身を守る」というのがあると本作で気づき、古橋さんがケイファに「逃げている」と言われかつステラフェアでのブロマイドの「俺はどこにも逃げない」ってこれか……? ずっと「子供」だった彼が“半身”を得て「大人」になったとかそういうこと……?
それはとても尊いことですが彼の「逃げ」が「弱さ」で「子供」という結論には断じて反発したく。だって四書には君子の行動理念として「身内がやらかしてたら指摘するんじゃなくて逃げろ」って、「民が苦しんでる時だけ立ち上がれ」って書いてあるんですよ。彼の行動は君子として正しいんですよ。正しすぎて良くないと言われてもやはり四書には人は最高善を目指すべきと書いてあり、四書ってことは中国文化ですよつまり教師の教育の賜物じゃないですか、彼は学ぶべきをきちんを修め実行してたんじゃないですか……それは王の子であることからは一度も逃げなかったということじゃないですか……称賛されこそすれ罵られるべきようなことではないじゃないですか…………。
結果として国は滅んだけど『マネサイト』のアミルが引き起こした国が二つに割れる最悪の事態を避け、責をひとりかぶって父も弟も民も守りきったじゃないですか……こんな素晴らしい王が他にいるかよ……貴国の文化で受け入れられないならうちに迎えさせてくれ……教師にすべて否定されたなら、そちらの神が彼を悪魔と呼ぶなら、彼のすべてを肯定し神と礼讃する狂信者がいるくらいで丁度良くないですか(めそめそ)
いやまあ、そうした立場を隠れ蓑に一個人としての成長から逃げていたと言えばそうかもしれない。けど、それは私人として接することのできる相手がいてこその話で。半身とは引き離された。両親とは心を通わせられない。教師は弟ばかりを褒める。臣下の中には彼を慕う人もいただろうけど、臣下である以上は王子として接しなきゃいけない相手で、こんな環境で個人として生きられるわけないじゃないですか 「この城に俺の居場所なんてなかった」ってそういうことじゃないですか
だから20241114に「俺も君に対しては欲張りでありたい」と言えたの良かったなって、泣くほど嬉しかったんですよ。今も泣きながら噛み締めてるんですけど。ずっと公人として我慢してきた、また「あちら側」に行かないように己を抑圧してきた彼がやっとそういうこと言える相手に出会えたんだなって、それがどれだけ救いか計り知れない、けど計り知れないほどすごいことだとはわかって、ほんと良かったなって、宛先が誰だったか覚えてますかという話はやめよう、世界がバグる。
話を戻して、『怪盗アプリコット』の母の言動を見るにどうも娘の幸せを思えば怪盗になって欲しくなかったみたいで、であればケイファの本音も兄弟どちらにも王位を継いで欲しくなかった(だから自分がクーデターを起こしてその役目を負おうとした)ことが想定されるんですけどそれはつまりケイファの「逃げ」という責めもけっして公正なものではなくそれどころか逃げて欲しかった肝心なところでまったく折れず逃げなかった古橋さんが気に病むことは一切なくないですか 讃えろ(超火力)
特に話したいのが望月家、つまりあんずと瑞希とその両母姉妹なんですが。
「怪盗にはどちらかしかなれないとしても、二人三脚でやっていきたいね」と話していたのにそれが叶わず敵対に至ったきょうだい、それ、グラナダとロッサ(声にならない悲鳴)
選ばれなかった姉の拗らせっぷりを見ると「匣を見つけないまま王位に就けなかったら兄殿下はこんなふうになってたのかな」って真顔になったし、「奪われる側から奪う側に回ればいい」って発想は赤い服の王様とスイートクラウンが至ったやつですよねって目を伏せたし、何より絶望の歳月を過ごした少年瑞希が運命の相手に選ばれたときの述懐ですよ。
「あなたのパートナーが勤まる能力を与えてくれた」
「僕が過ごしてきた日々も無駄じゃなかった」
「自分が嫌になりそうな時、あの日のあなたの笑顔が僕を勇気づけてくれた」
「あなたが僕を選んでくれたからそう思える」
古橋旺一郎でしかない(跪き頭を垂れる)
冷静に考えれば二つ目はむしろ弟君に言ってましたが。自己否定の海から貴方を救えるなら私は貴方を選んで深愛グッドを迎え続けますよ 世界がバグる いやもう招待状を受け取った時点でこの世界に巻き込まれてるからどうしようもないんだファンブック早く通販してくれ頼む。
一応世界の均衡を取り戻して(?)古橋さんほんと仕合わせでいてくれないと困る……と泣きながら次はカフェキュイ……をやるつもりだったんですけど、X上の企画に参加してるし梅も咲いてる時期なんでコイハナやります! また主人公のボイス付きだぞ楽しみー