2024-01-08 全俳句データベースと人類の限界

koba_e964
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全俳句データベースというサービスが話題になっていた。このサービスは、6.3 * 10^32 ~= 2^109 個のあり得る俳句をすべて「収録」しているらしい。この数量を色々なものと比較して、それが可能かどうか見ていこう。

  • 人類の記憶力 (記憶容量の総量) はどのくらいか?

  • 人類の計算力 (CPU などの計算資源で計算できる回数) はどのくらいか?

    • 現状 (2020 年代) は 112 ビットのセキュリティーレベルが安全であるとみなされている。雑に言えば 2^112 回の計算を要するような作業は人類には 2020 年代のうちには不可能であるとみなされている。ここで、俳句の個数は 2^109 個程度であった。仮にこれがどこかに格納できるのであればその 8 倍くらいの手間で 112 ビットのセキュリティーレベルを持つ暗号技術 (RSA 2048) が破れることになる。RSA 2048 は破れないので格納も不可能であるはず。

以上の考察から本当の意味での「収録」はできないことが明らかである。格納どころか網羅して良いものを残すことすらできない。件のサイトは俳句と整数の変換規則だけを定めているに違いない。

疑問の余地なく、すべての俳句の網羅というアイディアは常にどこかの誰かによって考えられてきて、それらのアイディアは夢物語として終わってきた。果たして、人類がすべての俳句を網羅できる日はいつ来るのだろうか?

@koba_e964
自分で考えたが、背景情報などの裏取りをしていないことを書いていきます。記事の内容について議論する気は毛頭ありません。(議論の余地があるようなことはここには書きません。)