「自分には才能がない」
そう言い切って、諦めてしまうことは簡単だ。
でも、本当に才能がないかどうかは、
何度も向き合って、地道に練習して、
そうやって努力してからじゃないと分からない。
最後までやりきって、それから判断しても遅くはない。
そして、たとえ満足がいく結果が得られなかったとしても、
諦めずに向き合った人だけが、違う景色を見ることができるのだろう。
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ボイストレーニングに通い始め、
本日、10回目のトレーニングを終えた。
月2回、計12回(半年間)の契約なので、もう5ヶ月が経った。
自主トレーニングの期間を合わせると、8ヶ月近く経つ。
そして、ここにきて、ようやく大きな変化を感じた。
今まで歌えなかった曲を歌えるようになったのだ。
これまでも徐々に上達していることは実感していたが、
もっと気持ちよく、自由に声を出して最後まで歌えたらどれだけ楽しいんだろう、
ずっとそう思っていた。
だから今日、一曲を通して思うように歌い切れたことが本当に嬉しかった。
日々の地道な努力がようやく実を結んだ、
そう思えた瞬間だった。
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ボイトレに通う目的は、カラオケで気持ちよく歌えるようになることだ。
中学生で声変わりして高い声を出せなくなってから、
自然と、歌うこと、そしてカラオケに行くことに苦手意識を持つようになった。
カラオケに誘われても、自分の思うように歌えないことが辛かったし、自分の歌う番が回ってくるのが嫌だった。
だからいつも場を盛り上げることに徹していた。
他人に「下手」と思われている気がして、思う存分に楽しむことができなかった。
実際に「音痴」とか「下手くそ」と言われたこともあった。
「自分は才能がないのだろう」
そう思って、諦めていた。
少なくとも高校生の頃から、10年以上はそう思っていた。
だから少し練習することはあっても、真剣に向き合うことはしなかった。
でも、一度だけでいいから、本気で努力してみよう。
そう思うようになった。
きっかけは、神奈川に単身滞在中、
周りに遊ぶ場所が無く、知り合いもいない環境だったので、暇つぶしにカラオケに行き始めたことだった。
最初は下手くそな自分に嫌気がさしてすぐ帰ったけれど、なんせ他にすることがない。
時間だけは有り余っていたから、ちょっと練習してみようと思い、
YouTubeでトレーナーさんが上げている動画を見て、自主練習を繰り返した。
するとそれだけでも、少しずつ声が出るようになった。
「もしかしたら、この先生に直接習えば才能のない自分でも上手くなれるかもしれない」
そう希望を感じることができた。
意を決して、20万円という金額を支払った。
決して安くはないけれど、本気でやるからには金を払ってでもプロから学びたかった。
あの時、挑戦した自分を褒めたい。
この先ずっと苦手意識を持って、コンプレックスに感じながら過ごすところだった。
声量と音域は才能がある方だと言ってもらえて、今まで以上に練習に取り組んだ。
嘘のように成果が出たし、それが楽しくて毎日練習した。
そして、ようやく今日、確かな成長を実感することができた。
自分には才能がなかったのではない。
持っている能力の使い方を知らず、
ただ最初から諦めて、努力をしなかっただけだったのだ。
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今までの人生で、努力に裏切られたことは一度もない。
ちゃんと向き合えばどんな形だろうと、努力は報われると思う。
それだけは間違いない。
最初から諦めてしまったら、その先に広がっている景色を見ることは絶対にない。
失敗しても良い。
だから、言い訳をせず、一度本気で向き合ってみよう。
今後も色んなことに挑戦していきたい。
こばん。