日本シリーズ第7戦、現地観戦組だった。だが、目の前で優勝を見たというのに、妙にテンションが低い自分がいる。別に喜んでないわけではない。なんだかこう、喜び方がわからない感じというか。
人生がままならないことは大体阪神が教えてくれた。どんなに弱くても前向きに捉え、楽しみ、面白がる習慣がつきすぎている。
それ故に、日本一を受け止めきれないでいるのだろうか。嬉しいのに表現の仕方がわからずオロオロしている。人からおめでとうと言われても、どう返せばいいのかわからない。ぽやーんとしている。
そんな状態で2週間ほど過ぎた今日、テレビで若手選手中心の侍ジャパンの試合を目にして、ふと気づいたのだ。
ああ、私は寂しかったんだなと。優勝も嬉しいけど、こんなに楽しかった今シーズンが終わってしまうことが物悲しかったのだ。私はもっと野球が見たかった。そういうことだったのだ。
そんなことに気づいて、ようやく、ああ、今年はいいシーズンだったなあとしみじみした。でもまだ、喜びを表に出すやり方はわかってない。そんな夜である。