冬の夕焼けの、真っ直ぐな橙色が好きだ。黄金色にも近い光が廊下に射していたあの日を、今でも時折夢に見る。あのべっこう飴を薄く延ばしたような光の帯。見惚れているうち、赤が強まり、そして紺に包まれる。風が熱を拐い、オリオンはまたたく。さあ、帰りましょう。歩道橋を降りて、歩みを進める。白い息は、冴えた空気に紛れて消えた。御砂糖にゃんこねこすいたい