子供の頃から肩こりに悩まされていた。スマホが普及する前の話だ。いつもいつも俯いて、本を読むか文字を書くかしていたせいだ。当時すでにストレートネックだったのかもしれない。
姿勢を良くしなさい、と親からも教師からも言われていた。しかし、そもそもよい姿勢がどんなものかわからない。大人は知っていて当然だと考えているのか、教えてくれない。よい姿勢を模索するうちに反り腰の癖がついた。今思えばの話だが。
だましだまし過ごしてきたが、ここ数年で首だけではなく、背中の上まで痛みが広がってきた。スマホの持ちすぎで腕もだるい。整形外科に行くべきだ。わかっていたが、今住んでいる処は病院が少ない。一番近いクリニックも通院にはバスが必要だし熊が出る。それに、行ってもレントゲンを撮って湿布を出されるだけだろうなという気持ちもあった。しかし、厚着の季節になる前にどうにかしたい。上着とタートルネックと重いペンダントは肩こり持ちには拷問器具なのだ。
悩みながら夏の間、ネットであれこれ調べてはストレッチを端から試した。どうも自分は反り腰らしい。反り腰消ストレッチで痛みが激減するのだ。初めてこのストレッチをした日、久しぶりに二時間座って本を読んだ。ほどなくペンを持って勉強をしたり日記を書いたりできるようになった。
反り腰とストレートネック、そのほか必要なストレッチをすべて行うと30分弱掛かる。でも、これで楽になるなら安いものだ。そう思った。
しかし実際にはそうはいかなかった。疲れすぎるとそのストレッチさえ苦痛になる。毎日のストレッチはやがて二日に一度になり、更に三日に一度になった。四日続けて休むと反り腰が悪化し、痛みが戻ってきた。以前と比べれば軽い痛みだが、楽な状態を覚えた後はきつく感じる。
以前骨盤を骨折したときに使ったサポーターを思い出した。あれを巻けばストレッチができない日も少しは楽なのでは。
さっそくネットで注文し、翌日届いた黒いサポーターを骨盤に巻いた。
楽だ。と思ったが、しばらくすると痛みが出た。骨折をしたあたりだ。巻き方がきつすぎたのかもしれない。少し緩めてみる。
今度は脇の下が痛くなった。婦人系の病気だろうかと慌てたが、サポーターを外すと消えた。筋が引っ張られたのだろうか。
仕方がないのでサポーターを椅子の背に駆け、マットを出してPodcastを聞きながらストレッチをした。楽になった。本も読めるし字も書ける。
やっぱりストレッチか。諦めてPodcastの再生リストを作った。これからは1日30分、好きな番組を聴けるのだと考えることにした。
2026/10/01
Kohana